ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第86回 良いドライバーを演じましょう
品質に関するドライバー研修担当時には「あいさつ・身だしなみ・車輪止め」や態度を含む、ドライバーが今すぐ提供できるマナー全般をお伝えします。
それは、お伝えしたことの中から、各自がひとつ以上の「得意技」をつくっていただきたいという考え方から。
品質への取り組みは、お客様に言われてから実践するのではなく、お客様から要望やクレームが入っていない段階から始めることがおススメです。
安全と違って、品質とは筋書き(法律)の無いドラマのようなもの。
品質においては、荷台の上を含む客先の構内が“演じる”舞台のようなもの。
あいさつや言葉遣いはセリフのごとく。
笑顔や態度は振り付けのごとく。
身だしなみは衣装のごとく。
車輪止めやヘルメットは小道具のごとく。
トラックや倉庫は大道具のごとく。
経営者は脚本家のように。
管理者は舞台監督のように。
ドライバーは俳優のように。
そして、皆様が舞台の上での「ありたい姿」を演じ切るために。
客席から見るような客観的な視点と、舞台袖から発するような親身な指摘で、プロデキューブが演出します。
研修では、最初から「良い人になってください」とは言いません。
まずは「良いドライバーを演じてみましょう」とお願いします。
表情と感情と切り離せることもプロの俳優の条件。
自分の態度で相手の印象を操ることもプロの条件。
「良いドライバーのマネをする」ことから始めましょう。
演じ続けるために役づくりを試行錯誤することで、役柄が習慣になります。
そして「演じている役柄」がいつしか「十八番の演技」になり「ハマリ役」と評価されます。
その結果、周囲の人が「良いドライバー」だと評価してくれます。
研修で最後に実践するあいさつ訓練は、言わば「通し稽古」の時間。
今できる“最高の身だしなみと笑顔”を実践。
「全員でやれば恥ずかしくない」
「全員が全力でやれば格好いい」
各社の社内で品質のルールを取り決めて、全員で取り組みましょう。
経営者の品質への考え方が管理者の言動になり、ドライバーの行動に映ります。
部下の姿は上司を映す鏡の姿。
上司が鑑となり、部下に良い影響を与えましょう。
上司が部下の行動に関心を持つことで、部下が上司の考え方にも関心を持ってくれます。
品質を管理するとは、品質を“キョウイク”すること。
ドライバーに品質のルールを教えることは、教育の第一歩です。
ドライバーが品質のルールを守れることは、成長の第一歩です。
私たちは研修を通じて「ドライバーが品質のルールを守りやすくなる社風づくり」の方法を提案しています。
社風づくりのためにも「ドライバー研修には経営者や管理者も参加してください」「あいさつや身だしなみは全員で取り組みましょう」とお願いしています。
全員で「会社と社員と家族」にとってのハッピーエンドの筋書きを考えましょう。
その筋書きはドライバーを含む社員にとっての人生設計であり、運送会社にとっては事業計画にも通じます。
ありがとうございました。
次回は11月25日(金)更新予定です。
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