第3回 走り方より停まり方

今回のコラムのテーマはプロデキューブでただいま“イチオシ”の交通事故防止対策。

「交通事故を止める」には「車を停める」ことから取り組むと、効果が出やすいようです。

なぜなら下記の安全行動において、共通のキーワードは…。

  • 疲れたら車を停めて休む(=居眠り運転の防止)
  • 後進時には車を停めて降車して後方を目視で確認する(=バック事故の防止)
  • 信号待ち時から車間距離を長めに確保して停車する習慣を身に付けて、走行中の車間距離を長くする(=追突事故の防止)
  • 横断歩道の手前で一旦停止して、通行者がいないことを確認してから通過する(=交差点事故の防止)

さて共通のキーワード、皆様お気付きですよね!

それは「停まること」です。

総じて「走るのが上手ではない運転者」が交通事故を起こすのではなく、「停まるのが上手ではない運転者」が交通事故を起こしています。

ご自身も運転される方であれば「誰かの運転で移動時に思わず右足に力が入った経験が有るのでは?」

それは自分と比較してブレーキのタイミングが違う(遅い)場合に多いようです。

不幸にも交通事故を起こされたドライバーさんや運転に不慣れな新人ドライバーさんが乗るトラックに、私たちが添乗指導と称して乗り込んだ際にも、同様の違和感を覚えることが…。

また、アクセルが効かない車に乗っても動かないので交通事故を起こしませんが、ブレーキが効かない車ではほぼ高い確率で交通事故を起こします。

他にも運転中に道路の前方で危険な状況が発生した場合も「クラクションを鳴らす」のではなく、「ハンドル操作でかわす」のでもなく、まずは「ブレーキで停車する」ことを優先すべきです。

社内においての交通事故防止対策で、スピードを規制する等の「走り方の指導」だけではなく、ぜひ「停まり方の指導」をお勧めします。

「停まり方の指導」を通じて「いつでも停まれるような運転方法」が身に付き、結果的に走行速度も抑制できますよ。

速度を抑制すれば周囲の危険にも早く認知することができ、判断や操作のタイミングを早めることも。

これは、信号が多い道路(周囲に人が多い地域等)では停止信号になればすぐに停まれるようにと、“法定速度が遅めに設定”されているのと同じような原理です。

プロデキューブの交通安全講習ではこの「走り方より停まり方」をどなた様にも簡単に理解していただくための“ある説明方法”がございます(このコラムでは表現できないのが残念ですが)。

この説明方法を提供すると、皆様が納得の笑顔になります(笑)

だからお勧め「走り方より停まり方」

車庫の出入り口に停止線を一本書くことで、出発の都度「正しく停まる練習やイメージ」を実践することも効果的です。

ありがとうございました。

次回は7月19日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
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