第81回 評価の先の選択を目指して

他の人よりも得たいものが有るならば、得るための努力を他の人よりも惜しまず実践しましょう。

得られるから努力をするのではなく、先に努力をしてその結果で評価を受けましょう。

なぜならば、運送業では料金(運賃)を「仕事をした後(成果を出した後)にいただく」のが通例です。

仕事の成果である運賃が後払いであることと同じく、仕事の評価も後からついてくるものです。

努力を継続することで、いつしか経験になります。

努力をできるのは「失敗の経験」が有るから。

継続ができるのは「成功の経験」が有るから。

努力を継続することは成功の条件であり、その「あきらめない全力姿勢」は各社の伝統になり、大きな失敗も多くの成功に変えられる条件でもあります。

懸命に取り組んで成功すれば、成功を継続できます。

たとえ失敗したとしても、懸命取り組んだ結果であれば、いつかは成功につながるものと信じています。

業種を問わず、仕事の世界においてはライバルの存在があり、プロの世界にライバルとの「引き分け」は存在しません。

常にライバルとの競い合う中で、切磋琢磨しながら成長できることも仕事の醍醐味のひとつです。

特に運送業はサービス業ですから、お客様が比較をして運送業務の依頼先を選択されています。

サービス業における仕事の評価とは、良いか悪いかは相手が決めるのが通例です。

全ての人に喜ばれるサービスを提供するためにも、できる努力を惜しまないこと。

私たちが努力により目指しているゴールは、交通事故ゼロではございません。

事故ゼロのみの達成ならば、ドライバーが車庫から出発しなければ達成できます。

交通事故ゼロの先に、品質向上への取り組みがあります。

品質向上の先には、会社の売り上げと利益の向上があります。

売り上げと利益の向上はドライバーが笑顔になるための資本。

まずは、ドライバーを不幸にしないために安全の対策を。

次に、ドライバーを幸せにするためには品質の対策を。

安全は仕事を確保する手段であり、品質は仕事を増やす手段です。

安全は利益を確保する手段であり、品質は売り上げを増やす手段です。

お客様からすると、プロのドライバーが安全なのは「あたりまえ」と言われます。

お客様が「あたりまえ」と思う安全は、プロとして「あたりまえ」に提供しつつ。

「あたりまえ」を超える品質を提供して「ありがとう!」と言っていただくことがプロのプライド。

お客様(荷主様)のお客様(配送先様)へ伝票を頼りにひとりで伺うドライバーは、「挨拶や身だしなみ」を含めて、どんな営業マンよりも“接客の心構え”が必要です。

その状況でお客様から「○○さん!」と名前で呼ばれているのは、ドライバーのブランド。

目に見える安全対策は、お客様から品質として評価をされます。

お客様は、常に他社のドライバーと比較をして選択をされます。

お客様から“評価”の先の“選択”をされる運送会社を目指しましょう。

ありがとうございました。

次回は9月16日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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