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第152回 一流と二流と三流の働き方の見分け方
働く人に対しては相手が何を喜ぶのかを考えつつ、相手を知ることから内部監査がはじまります。管理者が一流を目指していれば、事業所で指摘をすると喜ばれて、厳しい指摘事項もメモを取られます。
一流と二流と三流の働き方の見分け方
事業所における安全や品質の内部監査を実施する際、施設や車両に対する良い活動と改善すべき箇所を探す視点は似ています。
また、働く人に対しては相手が何を喜ぶのかを考えつつ、相手を知ることから内部監査がはじまります。
管理者が一流を目指していれば、事業所で指摘をすると喜ばれて、厳しい指摘事項もメモを取っておられます。
そして、翌日に必ずお礼のメールが届きます。
管理者が二流の状態であれば、事業所でほめると喜ばれて、退出時は笑顔で見送ってくれます。
しかし、お礼のメールはほぼ届きません。
管理者が三流から脱することをあきらめていれば、事業所への訪問を見送って放置すると喜ばれます。
その場合、こちらからメールを送信することも嫌がられます。
ご依頼の会社が掲げている安全の目標値の違いにより、内部監査の判定基準も3パターンに分類できます。
少しでも事故を減らしたい。
今よりも事故を半減したい。
これからは事故ゼロを狙う。
これらの目標値の違いは、対象項目は同じであっても「OK判定」の基準が違います。
少々のボール球でも主審が「ストライク!」と手を上げる少年野球と、プロ野球の厳格な「ストライク!」の範囲の違いにも似ています。
「絶対に事故ゼロ」との目標を達成したいのであれば、指導の項目が細かくなり安全の指摘が厳しくなるのは必然であり、指摘への反応で管理者の現在地をはかり知ることができます。
一流の管理者は、目標を超えようとします。
二流の管理者は、目標を達成しようとします。
三流の管理者は、目標の設定自体を嫌がります。
事業所の収益向上に向けた新規案件に対する初動にも、大きな違いがあります。
一流の管理者は、新しい仕事に挑戦します。
二流の管理者は、現在の仕事を調整します。
三流の管理者は、仕事の情報を遮断します。
安全や営業などの担当職への取り組みだけでなく、働き方への考え方にも違いがあるようです。
一流の管理者は、責任を果たそうとします。
二流の管理者は、義務を果たそうとします。
三流の管理者は、権利の主張は超一流です。
勤務時間外でも、観察を続ければ「違い」を聞き分けることができます。
一流の管理者は、朝礼や会議で積極的に建設的な発言をします。
二流の管理者は、休憩や昼食時のたわいもない話題が豊富です。
三流の管理者は、懇親会で愚痴を並べて二次会で毒を吐きます。
もちろん職場では他の管理者との比較が容易で、態度で違いを明確に知ることができます。
一流の管理者は、上司の指導にうなずく。
二流の管理者は、上司の指導にむかつく。
三流の管理者は、上司の指導に立てつく。
経営者は、上司の指導に対する管理者の柔軟さや素直さも評価しています。
一流の管理者は、行動に反映しようとします。
二流の管理者は、まずは反対しようとします。
三流の管理者は、すぐに反発しようとします。
社員が仕事をしているつもりでも、収支や業績に表れなければ、経営者は管理者に不満を抱くものです。
社員は、与えられた仕事をします。
管理者は、任された数値を追います。
経営者は、経営の方針を決断します。
会社とは、自分と違うタイプの人が集まる場所です。
仕事とは、自分がやりたくないこともやらなければならない時間です。
社内では「自分だけが上司から指摘を受けている」と落ち込む場面があるかもしれません。
それはあなただけへの会社からの期待の表れであり、自身で自分の目標や壁を乗り越えさせようと応援している上司からの愛情表現かもしれません。
そう考えれば「会社という場所」や「仕事という時間」にも、新たな楽しさを見い出せるかもしれません。
ありがとうございました。
次回は7月19日(金)更新予定です。
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