第25回 重大事故と軽微な事故の発生傾向と防止対策

「運送会社で重大事故と軽微な事故では、事故ゼロにするのはどちらが容易?」と聞かれれば、皆様はどのように答えますか。

実は意外と意見が分かれるのです。

そこで、今回のコラムでは重大事故と軽微な事故の発生傾向と対策について、プロデキューブの考え方を綴ります。

重大事故は会社が安全配慮義務を履行していないことで多く発生しています。

重大事故をゼロにするには、まず“全社的な取り決め”が必須です。

対照的に、道路交通法や貨物自動車運送事業法以上の厳しいレベルで、社内で安全ルールを制定して守っている運送会社は重大事故が少ない傾向です。

良い事例として、連続運転は法令で定められている4時間以内ではなく、2時間以内として取り組んでいる場合など。

さらには“品質を上げて運賃を下げない”ためのドライバー教育を行い、月間走行距離を短縮する努力を続けている場合など。

軽微な事故は、社内の安全ルールで「後進時は後方下車確認」などの手順が決まっていても、守らない(守れない)時に発生しやすい。

すなわち個人のヒューマンエラーによるものが多いと言えます。

よって、軽微な事故をゼロにするには“個人の取り組み”が効果的です。

以下はそれぞれの事故ゼロを目指すための対策。

重大事故は「定期的な研修」でも防止することが可能です。

ただし、せっかく外部講師を起用しても、研修を聞いているだけでは良化しません。

それは研修内容をメモしてヒントにして、社内の安全ルール見直しや追加を実行することで実現できます。

軽微な事故は「毎日の点呼」でも防止することができます。

例えば外部講師を月に1回呼ばなくても、点呼時に運行管理者が社内講師になって、日に1分でも決められた社内の安全ルールの履行状況を確認することで実現できます。

そこで当社ではこの手順を勧めています。

重大事故をゼロにするために、社内で安全ルールの取り決め(見直しや追加)を行います。

その後、軽微な事故をもゼロにする取り組みとして、安全ルールの指導や履行の確認をする管理者のスキルアップ(伝え方や確認のやり方)を図ります。

【1】社内の安全ルール(伝えるもの)を決める=取り決め
【2】管理者のコミュニケーション能力(伝え方)を高める=取り組み

上記の【1】ができている運送会社は、重大事故ゼロの方が容易だと思います。

上記の【2】ができている運送会社は、軽微な事故もゼロにすることが可能です。

これらは「交通事故が発生したらドライバーの責任」ですが、「交通事故を防止できなったのは管理者の責任」との考え方から進めている手順です。

上記の【1】と【2】はドライバーの安全確保の両輪であり、その両輪が機能すれば交通事故の発生はゼロに近づくはずです。

まずは重大事故を抑えて事故弁金を削減し、次に軽微な事故も抑えて事故件数を削減しましょう。

【1】重大事故を軽微な事故に変えて、事故弁金を削減する努力
【2】軽微な事故を事故ゼロに変えて、事故件数も削減する努力

すべてはドライバーの体(健康)と免許証(生活)を守るために。

次回のコラムでは「重大事故と軽微な事故の違い」について綴る予定です。

ありがとうございました。

次回は5月30日(金)更新の予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送・物流会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止やマナーアップを含む輸送品質の向上に取り組み、経費削減はもちろんその取り組みを営業活動へ転化して売り上げが向上するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として2014年には698回講演。
また、全日本トラック協会主催の全国トラック運送事業者大会における交通事故防止対策の分科会で、2年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員。
各都道府県のトラック協会や青年部会の各ブロック大会での講演多数。
プロデキューブ
公式ブログ:ほぼ毎日更新中!プロデキューブログ
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