第148回 事故を減らして笑顔を増やそう

運転室内で一人の時間を多く過ごすドライバーの中には、「誰かと話したい」と思いながらハンドルを握っていることも少なくはないはずです。会話における「雑談」や「脱線」は、時間の浪費のみならず、事故や離職を防止する過程において、貴重な時間だったと後から気付くこともあります。

事故を減らして笑顔を増やそう

会話時には前後の「雑談」や本題での「脱線」を通じて、話す人の人柄に触れることで親近感やその人に魅力を感じ、期待感が高まることでいつしか聴く人が笑顔になります。

それは芸能人がSNSでプライベートでの出来事を公開することでファンとの距離感を縮めたり、新たに支持をするファンを増やしたりすることにも似ています。

会話における「雑談」や「脱線」には、慎重かつ大胆に臨むための勇気が必要です。

その勇気とは、知恵を絞った工夫や周到な準備によって、自信に変わるものです。

「人を笑顔にさせるプロ」のはなし家さんが「相手を怒らせることや悲しませることは簡単。相手を笑わせることは難しい」と仰っていました。

笑いとは拍手以上の賞賛の表現であり、同意以上の賛同の合図です。

自分から相手に話し掛けて先に笑ってもらおうとすることは、相手への気配りであり積極性の表れです。

笑いを得るには、話の内容だけでなく話の間を大切にして、絶妙な機会を失わないことも肝要です。

バラエティ番組で司会を務めている芸人さんの多くは、笑いのプロであることはもちろんのこと、その場の空気作りにも長けています。

  1. さりげなく一人の人に質問をする
  2. 何となく相手が答える
  3. 回答に対して相手を傷つけないように“話の落ち”を付ける
  4. その場の全員を笑わせる
  5. 回答した人も笑っている

常に一つ先を考えて、全員を笑顔にする進行方法や欲しい発言から逆算して質問の内容を瞬時に選択する機転の早さは、ミーティングや点呼時にも使える会話の技術として参考になります。

笑いにより、その場を和ませることで人間関係が円滑になります。

また、人には笑うことで疲れを和らげる効果もあるようです。

運転室内で一人の時間を多く過ごすドライバーの中には「誰かと話したい」と思いながらハンドルを握っていることも少なくはないはずです。

仕事を終えて帰庫したドライバーには、会話や笑いが癒しの効果にもなるようです。

運送会社の社内では、「働き方改革と人材不足」の両課題に対応すべく、社内で働く社員の時間短縮に向けた業務効率化の手段として、事務作業や運行管理業務でのIT化が加速しています。

IT化が進むことで仕事の精度や効率の向上に手応えを感じ一方、日常的な報告・連絡・相談はメール等で済ませるなど、社内での「会話の量」が減少していると感じることはありませんか?

社内での会話の“練習”機会が減ることで、社員の「会話の質」も低下していませんか?

会って話す会話とは、意思疎通の手段においては一番簡単な方法です。

会って話す会話とは、互いの時間を合算して費やす意味では一番ぜいたくな方法です。

IT化により空いた時間を、自身の休息や休暇の時間に充てるだけでなく。

社内で誰かと会って話す会話の時間にも充当してみてはいかがでしょうか?

会話における「雑談」や「脱線」は時間の浪費のみならず、事故や離職を防止する過程において、貴重な時間だったと振り返れることもあります。

IT化には会話と笑顔を増やすことで、働く時間だけでなく事故と離職の減少にも効果が期待できます。

会話の前にはあいさつがあり、あいさつをしようとすると笑顔になれます。

あいさつなくして会話はなく、会話なくして笑顔なし。

会話なくして安全はなく、安全なくして笑顔なし。

安全とは一見地味な活動に思われがちですが、皆様の笑顔が続くための手段です。

まずは安全で、ドライバーとドライバーのご家族の笑顔が続くために。

次に品質でドライバーから笑顔になり、お客様を笑顔にするために。

まずは、皆様の事故が減りますように。

そして、皆様の笑顔が増えますように。

ありがとうございました。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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