第78回 夏の安全対策

あまりにも暑い日が続くと、誰しもが体力や気力を消耗しやすくなります。

安全面においては体力の消耗から、確認作業が面倒に感じやすくなるものです。

そして、確認を省いたことによる労災事故やヒューマンエラーが発生しやすい傾向です。

確認を含む“いつもの手順”を省かないことで、いつもと同じ仕事の成果を導きましょう。

たとえば、暑い時こそ指差呼称確認を!

呼称することで周囲の人にも確認作業も促すことができて、全員で安全な夏を過ごせます。

夏はドライバーの体調を確認するためにも、点呼に注力しましょう。

ドライバーの体調はもちろん、トラックの体調である整備状況も要確認。

安全走行を行うための始業前点検は足元から。

特に夏には暑さの中で使用する、ブレーキとタイヤを要点検。

タイヤは走るためではなく、正しく停まるためのものと考えて点検しましょう。

夏だからこそ点検と点呼が効果的です。

品質面においては気力の消耗から、挨拶や身だしなみが横着になりやすいものです。

横着から、夏に乱れやすくなるのは身だしなみ。

だから、夏の品質のバロメーターは身だしなみ。

身だしなみは、他社のドライバーが乱れがちになる夏だからこそ、意味がある品質(=営業)活動です。

他社のドライバーがやっていないから「やらない」と言うのではなく。

他社のドライバーがやっていないことが「できる」のがプロの仕事です。

疲れてダラダラしていると、運転方法もダラダラになりやすいものです。

ダラダラ状態を防止するために、社外はもちろん車内においても身だしなみを整えることも、夏におススメの交通事故防止対策。

仕事には基本があり、交通安全の基本は法律で定められていますが、品質には法律がなく、お客様のご要望に応えることや働きやすい職場環境を作るために、社内で独自にルールを定めて守る必要があります。

トラックとドライバーの身だしなみは、法律では対象外ゆえに“差が出やすい”もの。

トラックとドライバーの身だしなみにより、運送会社とドライバーの第一印象が一瞬で決まり、長い間その運送会社とドライバーへの印象として深く残るようです。

品質の第一歩とは「全員が同じことができるようになること」とも言えます。

身だしなみは“同じ制服の支給”により全員の第一印象がそろいやすく、さらには制服を「全員で正しく着用すれば格好良い」。

また、品質における「身だしなみや挨拶」等の周囲の人への心配りは、道の上での気配りにも通じて、安全にも反映されます。

最後に、熱中症や居眠り運転になりやすい人の共通点は、真面目で我慢強い人とも言えます。

安全は、ドライバーが「自分のこと(体調と感情)を知ること」から始めましょう。

管理者はドライバーが「自分のことを知っているか」に関心を持ち、ドライバーに確認することから始めましょう。

みなさま、この夏もご安全に!

ありがとうございました。

次回は8月5日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
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