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第126回 プロ向けの雨の日の注意事項
ドライバーの安全の結果とは、天候や道路の状況によって左右されやすいものです。降雨が激しくなると、視界が悪くなり路面が滑りやすくなります。「天と地」の状態を知り、運転行動に反映することで安全の結果が変わります。
プロ向けの雨の日の注意事項
プロ野球の試合はドーム球場以外で雨が降れば中止になりますが、プロのドライバーの仕事は雨が降っても運行続行です。
ドライバーの安全の結果とは、天候や道路の状況によって左右されやすいものです。
降雨が激しくなると、視界が悪くなり路面が滑りやすくなります。
「天と地」の状態を知り、運転行動に反映することで安全の結果が変わります。
状況によっては安全な場所に停車して、天候が回復するまで待つ勇気も必要です。
停止線での停まり方や、信号待ち時の停まり方を含めて、安全とは「走り方より停まり方」が重要です。
品質においても、雨が降らなければ商品の水濡れ事故は想定されにくいものです。
お客様の構内では雨の日は商品保護の観点から、普段は全開にしているシャッターを少し閉めていることで、フォークリフト作業時に伸ばしたままのマスト部分を接触させる事故を誘発することがあります。
構内でのトラック接車時にも雨の日は水滴によりサイドミラーが見づらくなり、窓を開けての確認も省きがちになるにもかかわらず、いつもよりも「近くに接車したい」との心理から、バック事故のリスクが高まります。
雨の日にもバック時には躊躇することなくトラックの両窓を全開にできるよう、日頃から運転室内の整理整頓を進めることも雨の日の事故防止対策です。
さらに眼鏡を掛けていると、眼鏡に水滴が付くのを嫌がり、雨の日に窓から顔を出して確認するのを面倒に感じるものです。
雨の日は、傘を差してでも降車確認を!
悪条件下でも、平常どおりの安全と品質を提供できるのがプロのドライバー。
「速度の抑制」による「車間距離の確保」については天候を問わず。
常に雨の日の運転方法を実践することで安全運転になり、常に雪の日の運転方法を実践することで環境運転になります。
雨が降ると、ドライバーが周囲の確認を面倒に感じるのと同様に。
雨が降ると、周囲の人が不安全行動になる傾向があります。
全ては「雨に濡れたくない心理」によるもの。
雨が強くなると、歩行者は手に持った傘を前方にかざすようになります。
透明なビニール傘なら「傘越し」にも視界を確保できますが、柄物の傘や黒いこうもり傘を使用されている場合には、視界が著しく低下します。
さらに足元の水たまりを気にして、視線が下向きになりがちです。
特に自転車で傘を持ちながら運転している状況には要注意。
歩行者なら危険を察知すればすぐに停まれますが、傘を持ちながら自転車を運転時には片手ブレーキになり、路面の状況等によりすぐに停まりにくいことから、接触事故の危険が高まります。
天気予報の降水確率が高ければ、「雨に濡れたくない心理」から外出時には傘を持って出掛けます。
しかしゲリラ豪雨を含む「想定外の雨」は、周囲の人がさらに不安全行動になります。
普段は横断歩道で青信号に変わるまで待つ歩行者も、「雨に濡れたくない心理」から「信号のない場所を横断してくるかもしれない」との予測をすべきです。
朝の通勤時間帯に「想定外の雨」が降った場合、特に駅付近では多くの人が不安全行動になるので要注意。
雨の日の「速度の抑制」と「車間距離の確保」は当たり前の安全対策です。
プロとして。
状況に応じた三つ目の安全対策として、周囲の人の視界が悪くなり停まりにくい状況を踏まえて「こちらが停まる」を実践しましょう。
また、平ボデー車に乗務するドライバーは天気予報に敏感で、特に雨を嫌がるものです。
ウイング車や箱車に乗務するドライバーは車両横転の可能性もあるため、雨だけでなく風にも関心を持ちましょう。
ドライバーにとって、雨とはまさに天敵のようなもの。
悪条件が揃うからこそ、添乗指導は雨の日がおススメです。
雨の日できたことは平常時にもできているはずです。
雨の日できなかったことは平常時から取り組むべき課題です。
ありがとうございました。
次回は7月6日(金)の更新予定です。
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