ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第127回 安全性優良事業所認定の本質と活用方法
安全な状態を必然にするには、事業所における「ドライバーの人数×無事故の目標日数」に応じた努力が必要です。その努力とは安全の教育であり、教育をせずに安全な状態を求めようとすると「事故の発生による多大な犠牲によって安全の尊さに気づく」などの手遅れになることもあります。教育への努力を継続することが、安全な状態を安定して継続するための唯一の手段です。
安全性優良事業所認定の本質と活用方法
偶然であっても事故がない状態が続くと、安全であることが「あたりまえ」との錯覚に陥ります。
安全な状態を必然にするには、事業所における「ドライバーの人数×無事故の目標日数」に応じた努力が必要です。
その努力とは安全の教育であり、教育をせずに安全な状態を求めようとすると「事故の発生による多大な犠牲によって安全の尊さに気づく」などの手遅れになることもあります。
教育への努力を継続することが、安全な状態を安定して継続するための唯一の手段です。
「一年間、計画的に安全教育を実施すること」と「一年間、事故ゼロを達成すること」では、どちらが容易であるかを考えてみましょう。
安全の教育には自社で発生した事故事例だけではなく、他社の事故事例も教材にして、想定外事故の発生を防ぎましょう。
自社の事故事例も直近のものだけではなく、過去の事故事例も教材にして、類似事故の発生を防ぎましょう。
そして、本コラムが公開される頃は、運送業界では安全性優良事業所認定(以下Gマーク認定)の申請期間の真っ只中です。
Gマーク認定において特に初回申請時は、各事業所における安全の良し悪しの判断を認証機関に委ねる「試験以上の受験」のようなものです。
最新情報の収集と細心の確認作業が求められる申請内容ですが、申請基準の意味を正しく理解をして計画的に運用することで、申請期間以外でも「Gマーク認定=安全な事業所作り」への関心が高まるなど、安全体制構築に向けた教科書として活用できます。
どうか、Gマーク認定を取得するためだけに申請書類を作成するのではなく。
事業所内の安全体制をGマークの認定条件に近づけて、安全な状態が継続できる体制を構築しましょう。
Gマーク認定の申請書類の完成がゴールではなく、申請書類を運用するスタートです。
Gマーク認定の申請書類の完成がゴールではなく、申請書類を運用することがルールです。
「申請基準を満たすためだけに書類を作成」するのではなく「ドライバーを守るための事故防止の手段」として書類を作成して運用しましょう。
その考え方をもって申請書類を整えると、事業所における「安全のカタチ(ゴール)」と「安全のアタマ(ルール)」が整います。
これらの外部機関からの認定取得は、事業規模によって社外宣伝を目的に取得する場合と、内部統制を目指して取得する場合があります。
事故の発生をきっかけとして、その反省から安全に取り組むのではなく。
Gマーク認定の申請を改善のきっかけとして、安全に取り組みましょう。
Gマーク認定の取得をゴールにするのではなく、いつでも審査を受けられる状態の維持をゴールにしましょう。
Gマーク認定の申請期間限定ではなく、通年で申請基準の考え方や計画を実践することで、事故につながる危険や、安全につながる対策について「事故発生」や「認証取得」の前に確認と改善ができます。
ありがとうございました。
次回は7月20日(金)の更新予定です。
前の記事を読む
次の記事を読む