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第137回 考え方から安全に
人の性格や日頃の行動は、良い点も良くない点も「車を運転中には増長して表現される傾向」です。性格とは人格にも通じるため、その人の性格を否定するような言動はハラスメント対象として扱われることも散見されます。しかしながら、考え方は変えることができます。あと1カ月後に迫った年末の繁忙期には「急がば確認」とのキーワードが有効です。
考え方から安全に
人の性格や日頃の行動は、良い点も良くない点も「車を運転中には増長して表現される傾向」です。
歩き方がアクセルの踏み方に表れて、話し方は方向指示器の使い方に表れます。
急いでいるときには、人混みの中での歩き方と渋滞の中での運転のやり方には共通点が表れます。
身だしなみが整っているドライバーは、トラックの美化にも努めています。
身だしなみを整えることもトラックの美化も、周囲の人への配慮のために自身がひと手間を掛けて提供している行動です。
トラックが美しくないドライバーは交通事故が多いと言われることと同様に、交通事故が多いドライバーは身だしなみが良くないドライバーであるとの傾向です。
個々の性格に委ねられているマイカーの美化状況を見れば、トラックの運転室内の整理整頓の状態や日頃の運転行動に、おおよその察しがつきます。
このように「あぶないドライバー」は「きたないトラック」に乗っているとも言えますが、「あぶない」や「きたない」と思う感じ方は、人それぞれに性格があるように、人によってまちまちです。
そのような性格は、誕生時に既に持ち合わせているDNAや、幼少期や学生時代を含めた人生の環境によっても形成されるため、性格は容易に変えることができません。
性格とは人格にも通じるため、その人の性格を否定するような言動はハラスメント対象として扱われることも散見されます。
しかしながら、考え方は変えることができます。
安全においては、その考え方を「事故の経験」で変えるのではなく、安全研修や添乗指導の「安全の教育」で変えることが理想です。
私たちは安全研修の講師として、研修中の「ドライバーごとの安全の話を聞く態度」を確認しています。
添乗指導員としては「ドライバーによる安全の話の内容」を聞いて確認しています。
安全への態度や安全の会話には、安全に対する基本的な考え方が反映されるものです。
ドライバーの運転行動は、ドライバー自身が状況に合わせて選択する優先順位によっても変わります。
その優先順位は、昨今の時短化への風潮や来月に迎える繁忙期の対応などで急ぎの心理が生じた際に、「早い仕事を優先するドライバー」と「正しい仕事を優先するドライバー」の2パターンに分かれます。
正しい仕事とは間違いのない仕事であり、急いでいるときこそ確認を重視する仕事の進め方です。
それは「急いでいるときこそ仕事でミスをせずに時間のロスを作らない」との考え方による行動です。
逆に、早い仕事を優先するドライバーが真っ先に省こうとするのは確認であり、その次にマナーや整理整頓を省く傾向です。
あと1カ月後に迫った年末の繁忙期には「急がば確認」とのキーワードが有効です。
仕事の優先順位は周囲の環境(職場)に影響を受けたり、周囲の人(上司や先輩)を真似したりする傾向があります。
交通事故が起こりにくい職場作りをサポートすべく、私たちが事業所訪問の際に確認しているのは「最新と細心」の状況について。
安全に関する掲示物が、最新の情報に更新されているかを見て確認しています。
安全に関する細心の配慮を表す「安全の会話の量と質」を聴いて確認しています。
ありがとうございました。
次回は12月7日(金)更新予定です。
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