第121回 新卒社員向けの教育と目標

安全の細かいルールや定期的な教育の機会がない職場は、一見「好き勝手」が許される働きやすい職場にも見えます。しかしながら、安全で長く働ける職場にはルールと教育が機能しています。運送会社にとって「安全が経営の根幹」と位置付けるならば、安全のルールを決めて社員を教育することは、最大の経営活動と言えます。

新卒社員向けの教育と目標

安全の細かいルールや定期的な教育の機会がない職場は、一見「好き勝手」が許される働きやすい職場にも見えます。

しかしながら、安全で長く働ける職場にはルールと教育が機能しています。

安全のルールとは「社員が幸せになるための手順」であり、安全の教育とは「社員が幸せになってほしい愛情の量」を示します。

運送会社にとって「安全が経営の根幹」と位置付けるならば、安全のルールを決めて社員を教育することは、最大の経営活動と言えます。

全員が安全に注力すれば、安全は必ず実現できます。

全員で安全を実現できれば、安全は必ず継続できます。

新卒入社の社員に対する教育においては、安全を教育する前に「社会人としての教育」も実施しなければなりません。

学生時代には教育を受けるために授業料を払います。

社会人になれば教育を受けながら給料がもらえます。

そのかわり、学生時代には、成績が悪ければ留年として「もう一度チャンスを得られます」。

社会人になれば、成績が悪ければ降格もあり「もう二度とチャンスは得られない」こともあります。

学校で行う勉強とは、個人の成績を競う個人戦のようなもの。

会社で行う仕事とは、企業の業績を競う団体戦のようなもの。

鉄道や飛行機での移動中においても、鉄道会社の皆様が厳しい安全を優しく伝えることや、航空会社の皆様が最高の品質を最適なタイミングで提供されている姿を見ながら「仕事の団体戦」を勝ち抜くための教育ができます。

社内では先輩社員の誰もが通ってきた道(過程)においての失敗の経験から学んだことを、先輩社員が教育しましょう。

失敗を恐れると、積極性を失います。

成功を目指すと、積極的になれます。

誰もが最初から成功することはなく、自らの失敗を重ねる中で正しい仕事のやり方を身につけるものです。

失敗を恐れると、失敗したときに言い訳が出てしまいます。

成功を目指すと、失敗したときに反省して改善ができます。

仕事の結果に対して言い訳をせず、積極的に挑戦したときに「反省と改善」ができます。

失敗とは目標に向けた成長に必要な経験であり、反省と改善の経験をせずに成功なしです。

しかしながら……。

安全とは、自らの失敗の経験で覚えるのではございません。

その理由は、一度きりの人生において、事故の経験を何度も積むことで安全を覚えるのはリスクが高すぎるからです。

安全とは「安全になれる方法を教育で学ぶ」ものです。

新卒入社の社員に対する教育においては、安全を含めて「難しくではなく簡単に伝える」ことや「簡単なことを分かりやすく伝える」ことで、簡単だから「やってみよう!」や、分かりやすいから「できるかも!」との、行動に移しやすくする工夫をしましょう。

まずは、自分のことは自分でできる「一人前の社会人」になることを目指して。

次に、誰かに教えられる「二人前の社会人」を目指して。

いつかは、誰にもできないことができる「一流の社会人」になることを目指して。

ありがとうございました。

次回は4月20日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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