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第122回 車輪止めは三つのバロメーター
各社によって「車輪止め」の呼称方法が違うように、車輪止めを装着すべき状況や方法に関する社内ルールも各社によって違います。車輪止めの装着は、ドライバーが自身の心身の状態を把握できるバロメーターです。また、車輪止めの装着は、危険物輸送時以外は法律で定められていません。法律では決まっていないことを取り決めて、お客様から言われていないことにも取り組むことで、他社との違いが「見えるこだわり」になります。
車輪止めは三つのバロメーター
「車輪止め」や「輪留め」や「歯止め」や「タイヤ止め」など、各社によって呼称方法が違うように、車輪止めを装着すべき状況や方法に関する社内ルールも各社によって違います。
社内ルールで取り決めていても、ドライバーの心身の状態により、車輪止めの装着方法が横着になる傾向も散見されます。
車輪止めを「装着している」ではなく、「正しく装着している」ことがプロの基準。
車輪止めの装着は、ドライバーが自身の心身の状態を把握できるバロメーターです。
また、車輪止めの装着は、危険物輸送時以外は法律で定められていません。
法律では決まっていないことを取り決めて、お客様から言われていないことにも取り組むことで、他社との違いが「見えるこだわり」になります。
「車輪止め」は世間やお客様から“見える安全”であり“魅せる品質”です。
「車輪止めの正しい装着」は、ドライバーの安全と品質を高める手段です。
経営者の考え方が管理者の言動に映ります。
管理者の言動がドライバーの行動に映ります。
経営者の考え方は、各社の経営理念や経営方針に記されています。
「どのように車輪止めを装着するのか」との行動を指導する前に。
「なぜ車輪止めを装着するのか」との考え方を教育しましょう。
ドライバーによる車輪止めの装着方法は、管理者による「会社の考え方に沿った教育」の成果です。
管理者が“動くマニュアル”になることで、ドライバーの行動に良い影響を与えることができます。
例えば、管理者が社内で離席時には、椅子を机の中に入れることを習慣にしてみましょう。
それは、ドライバーがトラックを停車させれば車輪止めの装着を習慣にするための労力と同じこと。
できていない状態への指摘に対する言い訳が「すぐに戻るから」であることも同じこと。
管理者が社内で正しい行動を見せることで、ドライバーも社内で車輪止めを正しく装着できるようになります。
いつしか荷主様や配送先様や休憩中(高速道路のパーキングエリアやコンビニの駐車場)にもできるようになり、ドライバーが“動くマニュアル”になることで、次の世代のドライバーに教えられるようになります。
車輪止めは、一人で装着していても安全の結果を得られます。
車輪止めは、全員が装着していれば品質との評価を得られます。
車輪止めの装着状態は、下記の三つのバロメーターと言えます。
- ドライバーの心身の状態を示すバロメーター
- 管理者の指導力を示すバロメーター
- 運送会社の安全や品質を示すバロメーター
あわせて、ドライバーの会社への満足度を示すバロメーターとも言えます。
個々のドライバーが「いつもできている(ムラがない)状態」と、会社として「誰でもできている(バラツキがない)状態」を目指しましょう。
ありがとうございました。
次回は5月11日(金)の更新予定です。
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