第42回 既存社員の定着率=新入社員の応募率

運送会社がドライバーの求人募集を掲載しても応募者が少なくなったのは、いつ頃からでしょうか?

今年に入ってテレビ番組やビジネス誌でもトラックドライバー不足関連の特集が組まれていたようですが、当社も一昨年の秋に某テレビ局のニュース番組から同様の取材を受けたことがあります。

あれから一年以上が過ぎましたが、皆様の会社を取り巻く求人状況はいかがでしょうか?

求人広告媒体に頼るばかりではなく、自前の努力として社内での紹介制度や人材を高める資格取得制度に取り組まれ、功を奏している運送会社もお見受けします。

今、各社でできる共通の取り組みとしては「既存社員の個人都合による離職(流出)を防ぐこと」が挙げられます。

1名入社しても1名が退職したら人数は同じですが、会社の戦力は一時点に低下します。

ちなみに既存社員ドライバーが退職する三大理由は下記の通りです。

【1】事故発生
【2】労働条件
【3】人間関係

実は上記の【1】【2】【3】は関連しています。

【1】の原因は【3】→人間関係(コミュニケーション不足による事故発生)
【2】の原因は【1】→事故が多いと利益が低下→賃金に悪影響 など
【3】の原因は【1】と【2】→管理者としての器量が問われる修羅場が発生

交通事故が多い運送会社は、いくら高額な給与設定でもドライバーからは好まれません。

交通事故が多い運送会社はドライバーの定着率が低くなり、求人募集時の反応も悪くなります。

よって「既存ドライバーの定着率=新人ドライバーの応募率」とも言えます。

「事故発生・労働条件・人間関係」との既存社員ドライバーが退職する三大理由は、ドライバーとして働きたいと求職者が運送会社を選ぶ際の下記選考条件にも似ています。

【1】事故を起こしたくない
【2】少しでも多く稼ぎたい
【3】できれば長く働きたい

前回紹介した「事故防止対策=離職防止対策」と「既存社員ドライバーの定着率=新入社員ドライバーの応募率」の取り組む内容は同じであり、社員教育に尽きます。

「事故が多い→利益が低下→定着率が悪い→応募率が悪い→売上が低下→教育ができない」のスパイラルに陥らないように。

安全を教育すれば、確認の会話が生まれます。

品質を教育すれば、挨拶の会話が生まれます。

教育をすることは、離職する三大理由の防止策になります。

安全を教育すれば“交通事故”を防止できます。

品質を教育すれば“労働条件”を維持もしくは向上できます。

安全や品質を教育すれば、会話が増えて“人間関係”が良化します。

教育をすることで相手に向き合えば会話が生まれて、既存社員ドライバーの定着率向上はもちろん、社内の雰囲気が明るく優しくなることで、求人への応募率と同様に社内での紹介制度や資格取得制度への関心が増すことでしょう。

最後に。

入社させることが目的なのは「人手不足」への対策であり、当社が勧めている「人材育成」の対策は、入社してもらうだけでなく長く勤めてもらうことが目的です。

入社を採用の「ゴール」と捉えれば、採用活動以上に社員教育には注力しないでしょう。

入社を教育の「スタート」と捉えるのとは大きな違いです。

採用することの大変さと、教育すること大切さは同じです。

ありがとうございました。

次回は2月23日(月)を予定しております。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送・物流会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止やマナーアップを含む輸送品質の向上に取り組み、経費削減はもちろんその取り組みを営業活動へ転化して売り上げが向上するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として2014年には698回講演。
また、全日本トラック協会主催の全国トラック運送事業者大会における交通事故防止対策の分科会で、2年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員。
各都道府県のトラック協会や青年部会の各ブロック大会での講演多数。
プロデキューブ
公式ブログ:ほぼ毎日更新中!プロデキューブログ
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