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第103回 伝わる掲示物の作り方と貼り方
社内に掲示物が多いのも、運送業界の特徴かもしれません。掲示物で伝えるならば「貼ったら終わり」ではなく「貼ったら始まり」です。掲示物を会話のネタにしながら、質問をして確認をする方法がお勧めです。
伝わる掲示物の作り方と貼り方
社内に掲示物が多いのも、運送業界の特徴かもしれません。
いたるところに掲示物が貼られた「壁の無い運送会社」もお見受けするほど。
それは、ドライバーと顔や言葉を交わす機会が少ない故の傾向かもしれません。
掲示物で伝えるならば「貼ったら終わり」ではなく「貼ったら始まり」です。
掲示物を会話のネタにしながら、質問をして確認をする方法がお勧めです。
周知することと徹底することを分けて取り組みましょう。
掲示物で「周知(伝える)」して、会話で「徹底(確認)」です。
そのためにも、掲示物は「貼った=見たはず」ではなく、「いかに読んでもらうか」「正しく伝わるか」にこだわりましょう。
最適な掲示場所を求めて、社内で皆の目につく場所を探してみましょう。
社内でドライバーが立ち止まるような、最適な掲示場所が必ず有ります。
野球場でいうところの、テレビ中継時に映って人目に付きやすい「バックネット部分」のように。
ドライバーは点呼場のアルコール検知器の前や血圧計の前は数秒間立ち止まるので、お勧めです。
また、掲示物は見るのではなく読むことを指導しましょう。
掲示物も“指差呼称確認の対象”です。
社内で作成した掲示物は仕事中に実践すること。
お客様が作成された掲示物は構内で実践すること。
掲示物は間近で身近な話題を提供するのが良いでしょう。
さらには、アンダーラインを引いたり、手書きでコメントを添えたりの一手間を加えた掲示物は伝わりやすくなります。
掲示物をパソコンで作成することが多くなってきたからこそ、飲食店でホワイトボードに手書きで書かれた「本日のおすすめ」に目が行きやすいのと同じことです。
掲示時のそのひと手間が、ドライバーの関心と理解を深めて、安全と品質に反映されます。
特に事故速報や事故報告書の掲示は、類似事故をいち早く防止するためにも重要です。
発生した事故の内容を、正しく早く社内に知らせるために。
発生した事故の対策を、正しく早く社員に知らせるために。
掲示物は文字だけではく、写真や図を用いることで注目度と理解度が上がります。
運送会社で働く管理者として「安全」のつく言葉には「第一」に関心を持ちましょう。
運送会社にはたくさんの「安全」のつく掲示物があるのも安心な職場の理由であり、運送業界の特長です。
まずは「社内での掲示場所と掲示内容」を確認しましょう。
同じ内容の掲示物でも、掲示場所を変えるだけで注目度が上がります。
同じ場所の掲示物でも、会話のネタにするだけで理解度が上がります。
ありがとうございました。
次回は8月4日(金)更新予定です。
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