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第119回 「ゆずり合い運転」以上の「ゆずる運転」
安全運転は「ゆずり合い運転」の実践ですが、防衛運転では「ゆずる運転」を実践すること。「いつもゆずっているから、今日は相手がゆずってくれるかもしれない」と、道の上で見ず知らずの人に「ゆずり合い」を期待するのではなく。こちらが「先に停まる=いつもゆずる」との防衛運転の考え方はシンプルで迷いがなく、「認知→判断→操作」の連続行動においても瞬時に対応できます。
「ゆずり合い運転」以上の「ゆずる運転」
「交通事故を起こさない安全運転」と「交通事故に遭わない防衛運転」の違いを問われると、このように答えます。
安全運転は「ゆずり合い運転」の実践ですが、防衛運転では「ゆずる運転」を実践すること。
「いつもゆずっているから、今日は相手がゆずってくれるかもしれない」と、道の上で見ず知らずの人に「ゆずり合い」を期待するのではなく。
こちらが「先に停まる=いつもゆずる」との防衛運転の考え方はシンプルで迷いがなく、「認知→判断→操作」の連続行動においても瞬時に対応できます。
防衛運転では「先に停まる=いつもゆずる」との自分の意思を「早く分かりやすく発信」することが求められます。
その方法として、ヘッドライトや方向指示器・ブレーキランプの使い方や、運転室内からのジェスチャーでの発信を、早く分かりやすくすることが求められます。
クラクションも鳴らし続ければ「いかりの意思表示」になりますが、短く鳴らせば「ありがとうの意思表示」に変わります。
「運転マナーが悪い人」とは「交通違反が多い人」であり「交通事故が多い人」であると言えます。
最近の「あおり運転」に関する交通事故やトラブルの報道については、発生件数が急増ししたのではなく、かねてより周囲に運転マナーが悪い人がいた事実に注目した報道であるように感じます。
通常、「あおり運転」になりやすい状態とは「あせり運転」の状態です。
急ぎの心理による加速が、前方車両との車間距離を短くして、威嚇しているような走り方に見られます。
「いかり運転」も「あせり運転」と同様に「あおり運転」の状態に近づきます。
「あおり運転」の原因の一つに、運転中には他車の運転者との会話が不可能であり、運転者同士のコミュニケーションが取りづらいことが挙げられます。
「割り込ませてくれた」と思ったら、ハザードランプで合図をして「ありがとう」の意思の発信を。
「割り込んでしまった」と思ったら、ハザードランプで合図をして「ごめんなさい」の意思の発信を。
ここで提案です。
「ありがとう」の合図には「どういたしまして」の気持ちを、ハザードランプを点滅して返信してはいかがでしょう。
「ごめんなさい」の合図には「おたがいさま」の気持ちを、ハザードランプを点滅して返信してはいかがでしょう。
互いの合図による意思疎通は、互いに大人の運転になり「あせりやいかり」の感情を抑える効果が見込まれます。
メダルや記録を目指して、メンタルトレーニングも重視するスポーツ選手と同様に。
運転時にも「あせりやいかり」の感情をコントロールするためのメンタル指導が重要です。
スポーツ選手以上に、運送会社のドライバーにとっては毎日がオリンピックのようなもの。
会社の誇りを胸にハンドルを握り、自分の命を賭けてアクセルを踏んでいます。
「あおり運転」をしないように「ゆずる運転」を。
「あおり運転」をされないような「ゆずる運転」を。
多くの人の運転行動が「ゆずる運転」になれば、道の上の車社会も今以上に平和になると思います。
ありがとうございました。
次回は3月23日(金)の更新予定です。
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