第104回 自ら「考える力」

「withコロナ」への転換は、経済活動・企業活動において、極めて重要です。今後は「自ら考え、実践できる社員・組織風土」に変えていく必要があります。

自ら「考える力」

皆さん、こんにちは!

危険を感じさせるほどの猛烈な暑さの夏の終わりが近づいてきた途端に、今度は超大型台風の襲来と、本当にこの2020年という年は、いろいろな意味で忘れられない一年となりそうな状況ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか……。

言うまでもなく、「withコロナ」への転換は、経済活動・企業活動において、極めて重要な不可避な状況ですが、ここへ来て、それぞれの企業において「立ちすくむ経営」と「立ち向かう経営」の二極化が顕在化してきているように思います。今回は、その要因を考えてみたいと思います。

「テレワーク」導入における経営者の二極化

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業活動において物理的に大きく変わったこととして「テレワーク」が挙げられることは異論のないところではないでしょうか。

当社のパートナーであるサイボウズ社がテレビコマーシャルなどで「がんばるな、ニッポン。」というインパクトのあるメッセージを発信していますが、このメッセージの本質は「コロナ禍によって明らかになった頑張らなくてもよいようなこと(例えば、“通勤”)、すなわちムダなことにメスを入れて、本来、もっと頑張るべきことに集中できる状況を作りましょう」ということだと思います。

もちろん、業種や業務によってはテレワークが困難な領域があることは理解していますので、全てに当てはまるとはいえないものの、メッセージとしては極めてシンプルで本質的だと認識しています。

それを踏まえたうえでも、私が知っているお客様にも「業種的に難しい」とテレワークへの検討を早々に断念された会社と、「何とかできる方法はないか?」と、たとえ一部でも積極的に導入を検討しておられる会社の二極に分れているように思います。

中には、製造業にもかかわらず、今後のBCP(事業継続計画)の観点から「工場勤務を従来の半分の人数で運営できる方法」を模索・検討し、既に試験的に進めておられる会社もあります。

「テレワーク」導入で明らかになった会社の体質

また、テレワークを一部でも導入された会社においても、二極化が進んでいます。それは、テレワークにしても生産性が落ちないどころか、効率が上がる会社と、従業員が何をしてよいか分からず、その期待効果が出せないばかりか、管理職と従業員の間の疑心暗鬼による信頼関係やコミュニケーションにさえ負の影響が出てしまっている会社です。

この点においては、多くの情報が溢れていると思いますので、ここでは割愛させていただきますが、下記参考サイトをご紹介させていただきます。

テレワークの導入で気をつけたいマネジメント(ITトレンドサイト)

テレワーク導入後のマネジメント方法とは?(デジマチェーンサイト)

「会社」にも「従業員」にも共通することは

テレワークに限定していますが、上記二つの視点、「導入を断念する会社」と「導入しても動かない(動けない?)従業員」に共通している点は何があるのでしょうか……。

私の見解としては「考える力」「考え抜く力」の有無ではないか、と考えています。

「環境の変化」、特に「外部環境の変化」が間断なく続く現在は、昨日までの習慣を新たな習慣に変えていくことを、考えなければなりません。そして、そのことを「大前提」として必要な能力としておかなければならないのではないでしょうか……。

今まで「言われたことを言われたとおりにする」ことを是としていた企業、もしくは経営者の価値観の下では、環境変化に伴って「自らを変える」ことを考える習慣がスポイルされてしまいがちです。

経営者ご自身はさすがにこの機にいろいろ考え、着手に踏み切ることができても、今度はそうした企業・組織の従業員は「どうすればよいかの指示」を待ち続けてしまいがちで、行動がスタック・停滞してしまいます。

つまり、経営者ご自身の価値観、およびその影響を受けている組織風土・文化は一朝一夕では変えられず、変革を進める企業との二極化につながってしまっているのではないでしょうか……。

「立ちすくむ経営」と「立ち向かう経営」

このどちらの選択肢から選ぶかは、経営者の思考性・価値観に起因する部分が大きいことは紛れもない事実であり、さらには、これまでの思考性・価値観による従業員に対して重ねてきたそれは、ご自身の今までの「負の成果」であることが容易に想定できるのではないでしょうか。

では、どうすればよいのか? どう考えればよいのか?

今からでも「考える力・考え抜く力」を養っていける組織にしていくしかありません。「言われたことを言われたとおりにする社員・組織風土」から「自ら考え、実践できる社員・組織風土」に変えていくしかありません。

そして、そうした社員の集団のみが、今後の不透明な、VUCA(注)の時代を乗り切れるようになるのではないでしょうか。

  • (注)VUCA(ブーカ):V;Volatility(変動性)、U;Uncertainty(不確実性)、C;Complexity(複雑性)、A;Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなげた言葉。社会において将来の予測が困難になっている状態を示す。

私たちの会社は「考える機会・考え抜く機会」を与えていますでしょうか……。

今後もよろしくお願いいたします。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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