第84回 2018年度日本経営品質賞受賞企業とエンゲージメント

2018年も終わりが近づき、2019年は、どのような経営を目指していかれますか?単純に売上が伸び、利益が高まったという「結果」だけを追い求めても、経営者ご自身にとっても、従業員にとっても、ある意味「虚しい」ような気がします。今回は、今後の経営の在り方における「エンゲージメント」という概念に関して考えてみたいと思います。

2018年度日本経営品質賞受賞企業とエンゲージメント

皆さん、こんにちは。

師走も半ばを過ぎ、年末の慌ただしさが増してきました。
大阪万博の開催が決定するという明るいニュースがあったものの、来年の消費増税や日産・ゴーン前会長の問題の影響、米中貿易戦争の影響も含め、この年末の国内経済界の見通しは必ずしも明るい予測にはなりそうにありません。

そんなご時世ではありますが、今回は、先月26日に「2018年度日本経営品質賞」受賞企業が発表されましたので、そのご紹介と、受賞企業のトレンドから、今後の経営の在り方における「エンゲージメント」という概念に関して考えてみたいと思います。

2018年度日本経営品質賞 受賞企業

今年度の受賞企業は
【大企業部門】スーパー・コート株式会社
【中小企業部門】株式会社九州タブチ
【中小企業部門】トヨタ部品茨城共販株式会社 の3社が受賞され、詳細は下記URLでご覧いただければと思います。
※公益財団法人 日本生産性本部 研究調査 「 2018年度日本経営品質賞 3組織に受賞決定 」

それぞれの企業に対して「表彰理由」が併記されていますので、個々の内容はご一読いただくとして、ここでは、この3社に共通している取り組みとして
・「自律型感動人間」の育成(スーパー・コート)
・「人財育成と経営革新」のスパイラルアップ(九州タブチ)
・「全社員改善マン」育成(トヨタ部品茨城共販)
と、人材育成に独自の取り組みを持っていることであり、ES(従業員満足度)」を超えた「企業と従業員のエンゲージメント関係構築」を通じて、価値提供レベルを上げている点にあるのではないでしょうか。

インターナル・マーケティング

「マーケティング」という表現からは、一般的に「対顧客・対市場」をイメージされる方も多いのではないかと思いますが、マーケティングの大家フィリップ・コトラーは下記のように説明しています。

インターナル・マーケティングとは、顧客に良いサービスを提供したいという意欲のある優秀な従業員を採用し、トレーニングをし、動機づけをすることである。実際は、エクスターナル・マーケティングの前にまずインターナル・マーケティングが必要不可欠である。社内の素晴らしいスタッフが素晴らしいサービスを提供する心構えができていないのに、そのようなサービスを顧客に約束するわけにはいかないからだ。 
(『コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編』 p.18から引用 著:フィリップ・コトラー 刊:ピアソン・エデュケーション)

エンゲージメント・マネジメント

JEXS「人事コラム」より『エンゲージメント・マネジメント』
http://www.jexs.co.jp/column036.html

つまり、「CS = Customer Satisfaction」と「ES = Employee Satisfaction」の二側面があり、「業績を上げ続けるマネージャーは、何より顧客満足(CS)を重要視している」と思われていますが、「業績は高めたいが、数字のことばかり考えていても業績は変わらない」わけで、その前段階として「従業員のやりがいや満足、つまりESを重視していく」ことが必要だということになります。

言い換えれば「ES→CS→業績」の順番に物事を考えていかなければならないということなのではないでしょうか。

そのカギとなるコンセプトが「エンゲージメント」であり、従業員一人ひとりが組織に対してロイヤリティ(忠誠心)を持ち、方向性や目標に共感して「心からの愛着」を持って絆を感じている状態を指しています。

「当たり前のこと」といってしまえば、それまでですが、その「当たり前」なことを現実に実践していくことは、決して簡単なことではないかと思います。

最近、耳にすることが増えてきた「インタンジブル・アセット(intangible assets)」とは無形資産、見えない資産のことであり、損益計算書には表現されていない企業の価値のことを示しています。

その代表として「人材インタンジブル」であり、企業風土・価値観・リーダーシップ・人材などが挙げられます。

どうやら、日本経営品質賞受賞企業を見ていると、その「当たり前」を「当たり前に実践している企業」のようですね。

最後に、今回はグロービスオンラインのコラムで書評が紹介されている書籍『組織の未来はエンゲージメントで決まる』(著:新居佳英・松林博文 刊:英治出版)をご紹介させていただきます。
『組織の未来はエンゲージメントで決まる』――人と組織の新しい関係を考える

2018年も終わりが近づき、2019年は、どのような経営を目指していかれますか?
単純に売上が伸び、利益が高まったという「結果」だけを追い求めても、経営者ご自身にとっても、従業員にとっても、ある意味「虚しい」ような気がします。

仕事に関わる人たちが、仲間(associates)として、人として成長し、イキイキと働いている幸せな姿が伴っていればこそ「職場のダイナミズムが生まれ、顧客への価値提供のレベルも上がる」ということではないでしょうか。

年末年始になりますが、組織の成熟度を高めていくために、こんな本を読んで、考えてもよいのではないでしょうか……。

良いお年をお迎えください。来年も、引き続き、よろしくお願いいたします。

次回は1月16日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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