第19回 本田圭佑選手のコメントから考える組織風土

皆さん、こんにちは!

東西で梅雨の空模様が全く違うようですが、蒸し暑い日が続いていますが、お変わりありませんでしょうか。

いま、地球の裏側ブラジルではサッカー・コンフェデレーションカップが行われていますが、来年のワールドカップ出場を決めた日本代表は苦しい戦いを余儀なくされているようです。

先日、ワールドカップ出場を決めた翌日の記者会見で、今や欠かせない存在となった本田圭佑選手発言が話題を呼びました。
今回は、この発言を受けて、私たちの組織における「本田選手の存在」について、考えてみたいと思います。

■本田圭佑選手の発言
まずは、ご存知ない方もおられると思いますので、上記記者会見での本田選手の発言を振り返ってご紹介させていただきます。

会見は和やかな雰囲気で始まり、キャプテン・長谷部誠がチームを代表して「一夜明けて正直な気持ちはほっとしています。素直にうれしいです」と心境を語り、その後、遠藤保仁、吉田麻也らがジョークを交え喜びムードに包まれていましたが、次の本田の発言が空気が一変させました。

「あんまり、しゃべりたくないんですけど…」と言って、明らかに不機嫌そうな硬い表情で話し始めました。
「シンプルにいえば、『個』だと思います。個だというのは、きのうキーパーの川島選手がしっかりと1対1で守ったところをさらに高める。~中略 何人かの個人名を挙げながら~ もちろん日本の最大のストロングポイントは“チームワーク”なんですけど、そんなことは生まれ持った能力なので、どうやって自立した選手になっていくかにかかっている」

そして、極めつけに「この一年短いですが考え方によってはまだ一年あるという見方もできると思うので、(香川)真司や(長友)佑都みたいに本当のビッグクラブでプレーする選手もいるし、ただそうじゃないリーグやクラブでやっている選手もやれることってあると思うんですよ。
そこを、今野選手みたいに憧れみたいな気持ちを持ってやられると困ると思っていて、あくまで同じピッチに立っていますから、大先輩なのでどんどん僕らにアドバイスをくれればいいと思います。」と締めくくりました。

皆さんは、このコメントをどのように受け止められたでしょうか…。

■私の会社に、「本田圭佑」がいたとしたら…
いま、お手伝いをさせていただいているある会社では、社長が他の役員の方々に遠慮して、なかなかご自身の想いをぶつけられずにいます。
また、別の会社では、従業員が出来るだけ波風を立てないように、他部署のことには口を出さない、意見を言わないようにしているケースも見られます。

こうした会社や組織は「従業員がイキイキ働く組織風土」という表現の対極な状況になっているのですが、少なくとも、その現状の問題を認しているからこそ、何とかしたいと取り組んでおられます。

でも、そのように考えている経営者でさえ、ご自身の会社や組織に「本田圭佑」がいたら、どう扱うのでしょうか…。
このような「出る杭(くい)」を歓迎する覚悟や周囲が受け入れる風土はあるでしょうか。

■権限委譲の際の、相互の厳しさ
以前に「サーバントリーダーシップ」やカール・アルブレヒトの「逆さまのピラミッド」といった概念をご紹介させていただきました。

これらの考え方に関しては、ご理解いただいたり、共感して頂けたとしても、「実際に行う」となると、何をどうすればよいか?が分からないといったケースも多いのではないでしょうか。

一般的には、トップダウン型は「"何を、どのようするのか"を指示する」と言われ、サーバント型は「"なぜ、コレをするのか?"に共感を得て、"どのようにするのか"は任せる」と言われます。

つまり、権限委譲であり、「何をどのようにするのか?」を突き詰めて考えている「本田圭佑」が、その実現に不可欠と考えたことを仲間にも厳しく要求したということになります。

この発言が、日本代表において、功罪どのような影響を及ぼしていくのかは、まだ分かりません。

ただ、このように尖んがった「本田圭佑」と他の選手が向き合い、その厳しさをお互いのコミュニケーションとして「活性化」に向けて昇華できるかどうか、が日本代表というチームの「成熟度」にかかわり、ワールドカップでの結果に繋がってくるような気がしています。

ということで、社内で「○○君、同じ部署・同僚に本田圭佑がいたら、どう思う?」という問いは、その組織の「成熟度」を測るヒントになるのかも知れませんね。

次回は7月17日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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