第108回 混迷の時代だからこそ、求められる「解釈力」

昨年は新型コロナウイルスの拡大で長く記憶に残る年となりました。この混迷の時代、先が読めない時に、どんな解釈の仕方をし、この状況をどう乗り切っていきますか?

混迷の時代だからこそ、求められる「解釈力」

皆さん、こんにちは!

2021年、最初の寄稿になります。本年もよろしくお願いします。

昨年2020年という年は、10年後の教科書に「新型コロナウイルス流行」と載り、ある意味、歴史の転換点として長く記憶に残る年になることは間違いないと思います。そんな状況をどう乗り切っていくのか、私たちが試される一年が始まりました。

新型コロナウイルスの拡大で「世界が初めて、国家やイデオロギーを超えた“共通の課題”を前にしている」と表現している人がいました。にも関わらず、その解決に向け団結するどころか、ワクチン供給問題も含め、お互いの覇権や権益を拡大するために「分断」を深めている現実があります。

これは国レベルのことだけでなく、ディープフェイクなる言葉がリアリティーを持ち、リモートワークが定着し、バーチャルとリアルの境界線が融解? 融合? 統合? 混乱? し始めた実態も含め、少なからず個人レベルでもそれは起こっていると思います。

こうした価値観の多様化・二極化の中で、従来の「民主主義」や「経済資本主義」も大きな転換点を迎えました。企業における在り方、個人の働き方も変わってくる可能性は大きいように思います。

「80年周期」という考え方があるそうです。
第五代気象庁長官だった高橋浩一郎氏は「日本は80年ごとに大変動に見舞われる」と指摘しています。

  • 1620年の江戸幕府の確立を起点と考え
  • 1700年は享保(きょうほう)の改革
  • 1780年は寛政の改革
  • 1860年は幕末・明治維新
  • そして1940年の第二次世界大戦

もちろん「80年周期」といっても実際にはプラスマイナス10年程度の幅がありますが、直近の1940年に80年を加算すると2020年、つまり昨年ということになります。

このような混沌(こんとん)とした大変革の時代の真っただ中に、「今、私たちは生きている」という実感をどれだけの人が持っているでしょうか(もちろん、私自身を含めて……)。

ということで、今回は「こんな時代をどのように解釈をするのか?」という「解釈力」に関して考えてみたいと思います。

アンラーニング

アンラーニングとは?アンラーニングの必要性と実施する方法 | BizHint(ビズヒント)
先日、とある経営者と下記のようなテーマで意見交換をしました。

従業員にとって「イイ会社にいること」が幸せなのか? 「従業員自ら/自分自身がイイ会社を仲間と創っていくこと」が自身の成長につながって幸せなのか? どちらの視点・思考性を持った従業員を求めていますか?

もちろん、世の中には「イイ会社」と呼ばれる会社は少なからずあるわけですが、その会社においても「100%満点の会社」などあるわけがなく、少しでももっと良くしたい、良くなるには……、の努力をしているはずです。

そして、その「イイ会社」の定義そのものは、非常にあいまいで、抽象度の高いものであり、世代によって、あるいは人によって全く異なる定義になってくるのではないでしょうか。

例えば、戦前、日本人は全て富国強兵の考えに染まっていましたが、今ではそれは誤った考えとして片付けられています。であれば、今の私たちが熱中し、善悪でいうなら善としていることも、実は怪しいのかもしれません。

そんなことも含めて、今、私たち自身が「常識・当たり前・固定概念」に対して「そもそも……」を問い直す必要があり、そのためには、今までの知見をいったん、意図的に横に置く、手放すという「アンラーニング」が求められているのではないでしょうか。

解釈力

私が敬愛する田坂広志氏の著書『人間を磨く』(刊:光文社新書)に下記のような記載があります。

「人生の解釈力」とは、人生で起こった出来事や、人生で与えられた出会いの「意味」を解釈する力の事である
(p.202から抜粋)

この二つの解釈「どちらが正しいか?」という議論には意味がない。そこには科学的法則のように、誰が見ても正しい「客観的解釈」というものがあるわけではない。
我々が問うべきは「どちらの物語の方が、自分の心に素直に入ってくるか?」であり、更に言えば「どちらの物語の方が、自分の心が癒されるか?」「どちらの物語の方が、自分の心が成長できるか?」であろう。
(p.213から抜粋)

だとすると、結局「自分の考え方次第」ということではないでしょうか……。
「新型コロナウイルスが拡大して歯止めがかかっていない」という事実は一つですが、それを、どう解釈するのか? どう意味付けするのか? は、どうにでも解釈可能だということになります。

であれば、田坂氏の指摘のとおり「どう解釈することが、自分の心が成長できるか?」を考える方が精神衛生上も健全ってことになるのではないでしょうか。

そして、田坂氏は下記のように記しています。

未熟な自分を抱えながらも、成長をめざして歩み続けた姿、生涯をかけて、人間を磨こうと歩み続けた姿、その姿こそが、尊い姿なのではないか。
(p.230から抜粋)

さて、この混迷の時代、先が読めない時に、あなたはどんな解釈の仕方をしていきますか?
その矛先が2021年の行方を決めていくのかもしれませんね。

本年もよろしくお願いします。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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