第107回 「目的」を振り返り、「MIRAI」を紡ぎ出す

「振り返り」とは、何のために行う必要があるのでしょうか? 答えとして挙げられるのは「次の時に良い結果を出すため」ではないでしょうか。未来・将来を考えるに当たって「振り返り」が重要だといえます。

「目的」を振り返り、「MIRAI」を紡ぎ出す

皆さん、こんにちは!

早いもので「新型コロナウイルス」に世界中が振り回された2020年も年末を迎えました。来年は、一体どんな年になるのでしょうか……。

VUCA時代という表現が一般化してきましたが、まさに時代を「予測」することはできません。ただ、社会や世相がどんなに大きく変わったとしても、私たち自身は「どうありたいのか? どこを目指すのか?」という「構想」を明確にしておきませんと、単に時代の変化に振り回され続けることになりかねません。

上記のとおり、こうした「ビジョンの検討」というのは「予測」ではなく、自らの「将来に向けた構想」です。「何を、どう構想するか」を考えるに当たっては、「過去の振り返り」から得られる示唆・気づきが重要になります。

今回は「振り返り」の重要性を理解したうえで、「MIRAI」を構想する手順の在り方を考えてみたいと思います。

「振り返り」の重要性

そもそも「振り返り」とは、一体、何のために行う必要があるのでしょうか?

プロ野球のレベルだけでなく、高校野球レベルでも少年野球レベルに至るまで、スコアラーという役割の方が一球一球の配球や安打・凡打の記録をつけています。
一体、こうした「記録」はなぜ行っているのでしょうか……。

また、将棋や囲碁のトップレベルの方は、終局後、一手目から全ての手を記憶しており、振り返りができるようです。
この「振り返り」はなぜ必要なのでしょうか……。

答えの一つとして挙げられるのは「次の時に良い結果を出すため」ではないでしょうか。
野球でいえば、打者は「次の対戦の時にヒットを打てる」ように、投手としては「打ち取れる」ように、以前の配球などの記録を見て、その「振り返り」を通じて対策や練習を積んでいくのではないかと思います。

つまり、未来・将来を考えるに当たって「振り返り」が重要だといえるのではないでしょうか。

「今、やっていること」は何のため?

ここまでの視点を私たちの経営やビジネス、あるいは一人一人の仕事に置き換えて考えてみますと「今、やっていること」には、何らかの“目的・理由”があったから「やっている」ということになります。

ところが、長年行っている仕事の中には、その目的や理由を知らないままに、あるいはあらためて考えることもなく、淡々と「やっている」だけということも少なからずあるのではないでしょうか。

あるいは、「ベテラン社員は、その目的や理由を認識しているが、最近の若手は全く認識していない」といったこともあるかもしれません。

そういう意味でも、「振り返り」を進めるに当たっては、「今、やっていることの“そもそもの目的や理由”を確認する」つまり「過去を知る・過去の認識」が前提として必要になるということになります。

別の視点でいえば、「そもそもの目的・理由」が分かれば、その実現のために若手から違うやり方・方法のアイデアや発想が出てくる可能性もあるのではないでしょうか……。

「エンドレス・ジャーニー」のために

いずれにしても、「より良い未来/『MIRAI』を創るために、本来の目的を踏まえた過去を振り返る」ことの重要性をご理解いただけるのではないかと思います。

ということは、過去を知っている人には、その本来の正確な目的・意図を伝え続ける責任があるということにもなります。

経営は「エンドレス・ジャーニー(終わりなき旅)」といわれます。
「あるレベル」にたどり着いたら、さらにその「上のレベル」を目指す。さらに……と永続的により高みを目指して追求し続けるのが経営です。

だとすると、「うまい『振り返り』をして、より高いレベルを目指し続ける」ことをいとわないマインドセット・思考性の従業員の集まりでなければならないこともご理解いただけると思います。

「頑張ったら、もっと高い要求がくるから、やったら損だ・苦労するだけだ」的なマインドセット・思考性の従業員には「うまい『振り返り』」は、自分の首を絞める結果になりかねませんので、潜在的に避けてしまう傾向があるかもしれませんね。

21世紀に入って、アッという間に20年が経過し、新たなステージの10年を迎えることになるタイミングです。

今一度、ご自身の会社のこの10年を振り返って、今後10年の「MIRAI」を構想してみてはいかがでしょうか。

2021年も、よろしくお願いいたします。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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