第17回 自分を信じる

皆さん、こんにちは!
穏やかな春の風物詩、桜の季節もアッという間に過ぎ去ってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。
ここのところ、淡路島・三宅島・宮城・・・と日本中のあちこちで軋みが起こっているようで、地震が続いていますが、皆さんがご無事で不都合のないことを祈念しています。

さて、前回は「経営者として、人間を信用しているのか?という価値観・人間観」に関して書かせていただきましたが、つい先日、ある会社の社長さんとの会話の中でも、この部分が議論のテーマになりましたので少しご紹介させていただきます。

■「受け入れられない考え方や価値観を持った社員」に対する対応
この経営者は、こんなキャリアの方でした。
・新卒で金融系企業に入社。
 営業としてトップセールスマンであり、その会社で最年少支店長着任
・支店長としても、ご自身がプレイングマネージャーとして辣腕(らつわん)を振るい、優秀な支店長として頭角
・ご自身のお客さんの社長に見初められ、引き抜かれる形でその会社の社長として転職~現在に至る

この方との話は、こんな感じでした。

私は(経営者の方)、一見 派手なキャリアを積んでいるように見えるかもしれませんが、その立場に就くたび多くの葛藤にぶつかってきました。
以前は、自分にできたことを部下に強要や期待をしていたタイプのマネジメントでしたが、自分自身としては、どんな障害にも向き合い理解を深め、“どうすれば乗り越えられるか?“を考えてきたと思っています。

そんな経験の中で「自分の小さな「箱」から脱出する方法(著:アービンジャー インスティチュート、大和書房)」という本に出会って、「他責ではなく自責で考える」事も学び、随分と考え方は変わってきました。
でも、どうしても自分には受け入れられない考え方や価値観を持った社員がいる場合、その価値観をどう考え、どう受け入れればよいのか難しいところだな・・・と思っています。

いかがですか・・・。この問いには、多くの方がご自身にとっても心当たりがあるのではないでしょうか。
まさに「経営者としての価値観・人間観」に関わる問いではないかと思います。

■「相手の価値観そのもの」を認めることが必要なのか?
色んな議論があるとは思いますが、私は「イキイキした企業風土」「個人が活きる組織」を目指すのであれば、下記のように考えるのではないか、と思い、その経営者の方とも話をさせていただきました。

  1. 私自身には、私の価値観や夢、叶えたいことがある。そして、それを実現できると信じている。それが「自信」であり「自らを信じる」ということではないか
  2. 一方、自分以外の他人は、その人が信じている価値観や夢、叶えたいことがあり、その人はそれに「自信」を持っている
  3. でも、2)の中に受け入れ難い、理解できない価値観や夢、叶えたいことがある場合がある。それを受け入れられない
  4. それは「自分は“自分のことは信じる”のに、他人が“自分のことを信じる”ことを否定する」ということになってしまわないだろうか・・・(コレって、論理矛盾と言うか、傲慢ですよね!)

    では、どう考えるのか・・・。(文章では表現しきれないので、下記参照ください)
  5. 私が信じる価値観は、その生い立ち、環境、経験と言ったものによって形成されていったものであり、他の人と同じであるはずがない。
  6. 同様に、自分以外の他人が信じている価値観や夢も、その人の生い立ちや環境、経験によって形成されてきたものなので、私に否定出来るはずもない
  7. つまり、自分の価値観と異なっていたり、受け入れがたいものだったとしても、また、その価値観そのものは認めたり、共感はできなくても、「“そう考える人がいる”という事実を認める・受け入れる」ということが、実は本当の意味での「自分を信じる」ということではないか。
  8. なぜなら、他人から見れば「私が信じていること」だって、受け入れがたく奇異に見えるかも知れないのだから・・・

色々なご意見・ご指摘はあろうかと思いますが、少なくとも、この日お話をさせていただいていた経営者の方にはスッポリと腑に落ちたようで、最後にこんなふうにおっしゃっていました。

「そう考えれば、どんなに自分と異なる見方をしていても、また程度の低い価値観だと感じたとしても、その人なりに考えた結論として受け入れられますね!」

今回は、前回に引き続き「経営者としての人間観」に関して、事例を通じて考えて頂ければと思って書きました。
「社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成」を目指す皆さんは、どうお考えになりますか?

引き続き、よろしくお願いいたします。

次回は5月22日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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