第27回 経営品質賞受賞企業の考え方

三宅です。こんにちは!

ソチオリンピックも大詰めを迎えていますが、アスリートの皆さんは結果の如何を問わず、2014年という期限あるオリンピックでの活躍を目指し、高い目標を持ってトレーニングをしてきた選手ばかりで、本当に尊敬しちゃいますよね。

私たちのビジネスや組織改革も、明確な期限を自分自身に課して取り組んでいるのか?と振り返させられた気がします。

ところで、今回は、先日参加した「経営品質受賞報告会」改め「顧客価値経営フォーラム」に参加した際の受賞企業3社の社長さんのお話から「自律的従業員の重要性」に関して紹介させていただきます。

■顧客価値経営フォーラム
この会合は2013年度 日本経営品質賞受賞企業の表彰を兼ねた報告会として毎年開催されていますが、今年から「顧客価値経営フォーラム」とリネームして開催されました。

私は久しぶりに参加させていただきましたが、今年は過去最高?とも言える750名を超える多くの方が参加しておられましたそうです。

この参加の多さは、どこに要因があるのでしょうか?
こんなところにも、アベノミクス効果の影響で「今こそ、将来のことを考えていこう!」という機運が高まっているのかも知れませんね。

そんな中、今年のキーワードは"「グッド」から『ユニーク』へ"となっており、今の時代だからこし、企業としての「独自の価値提供」にフォーカスした指針が示されていました。

■受賞企業の共通点
2013年の日本経営品質賞 受賞は下記の3社でした。

・(大規模企業部門) 滋賀ダイハツ販売株式会社

滋賀ダイハツ販売株式会社 Webサイト

・(大規模企業部門) 株式会社ワン・ダイニング

株式会社ワン・ダイニング Webサイト

・(中小規模企業部門) 西 精工株式会社

西 精工株式会社 Webサイト

それぞれの社長さんが、自社の経営における考え方を始めとして、経営品質に取り組んだ経緯、実際の取り組み等に関して発表されたわけですが、実は意外な共通点がありました。

それは、それぞれの講演タイトルにも現れています。
・滋賀ダイハツ販売:「五幸を実現する組織づくり」
・ワン・ダイニング:「思いをひとつに チーム・ワンダイニングの挑戦」
・西精工:人づくりを起点に徳島から世界へファインパーツの極みを発信する

共通点がお分かりでしょうか…。
実は、この3社の社長さんが、いずれも「従業員の働きがい・幸せ・成長」と言ったことを全面に押し出した経営をしておられるということです。

■「従業員の働きがい・幸せ・成長」に関しての取り組み
滋賀ダイハツ販売さんは、「五幸」という言葉を使っていますが、「【1】社員 【2】お客様 【3】お取引様 【4】ダイハツグループ 【5】地域の人々」を対象にしていますが、以前はお客様が一番で、社員は二番になっていたようですが、あえて順序を入れ替え、一番に社員を持ってきたそうです。

ワン・ダイニングさんは、4400名を超えるアルバイトの方が働いているそうですが、時給を払ってまでも「アルバイトミーティング」を実施すし、新店舗戦略策定にも関わらせる等、「自分たちが働くことが喜んでもらえることが嬉しい」ということを感じてもらえる「人間としての成長」に取り組んでおられるそうです。

西精工さんは、全社員がそれぞれの「個人のミッションステートメント」を掲示しておられ、会社の理念との擦り合わせを考える取り組みをしたり、毎日50分もの「フィロソフィー朝礼」を続けておられるそうです。

■経営者の想い
上記はそれぞれ本当に取り組みの一部であり、その取り組みを真似れば良いというものではありません。

なぜ、経営者の方がそうした取り組みを重要視するようになったのか?
という「想いの源泉・想いの深さ」が肝心なのではないでしょうか。

その点に関しても、今回の3名の経営者の方はそれぞれの経験から来る「想いの深さ」を感じました。

特に、西精工・西社長は、以前は「すべてのお客さんからの依頼を断らない」ことを強みとしておられたようですが、時代の変化と共に赤字案件も継続している事実を知って「オレは赤字の製品を従業員に作らせているのか?そんなことをさせていてはいけない」という「気づき」が「想いの源泉」に繋がっておられるようでした。

このような「事実」に出くわした際に、どのように感じることができるか…?
まさに、経営者の「従業員に対する感性・アンテナ」の問題になってくるのではないかと思います。

過去にも、「経営者の人間観」という視点でのコメントさせていただいたこともありますが、経営者として「従業員に対して、どのように考えているのか?」がスタートになることを改めて感じさせられました。

そんな「イキイキと働く従業員」だからこそ、今回のテーマになっていた「ユニークな価値を提供できる会社」になっていくのではないでしょうか。

新年度が近づき、新たな計画を練っておられる方々も多いのではないでしょうか。皆さんの「従業員に対する想い」を振り返ってみてはいかがでしょうか。

引き続き、よろしくお願いいたします。

次回は3月19日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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