第101回 「心理的変容」の自覚と実践

これまでの普通が劇的に変わってしまった状況下において、「自社の経営として、何を変え、どうすべきか?」を明確にするため、今回は「心理的変容」とそれに伴う実践・行動に関して、考えてみたいと思います。

「心理的変容」の自覚と実践

皆さん、こんにちは!

ようやく緊急事態宣言が解除され、今後は「新しい生活様式」に慣れながら通常の生活リズムに戻していく段階を迎えています。

まだワクチンが確立されていませんので、少なくともしばらくは「withコロナ」で表される形でうまく付き合っていくしかなさそうですが、経済活動をどう活性化していくか……は、世界中の共通した大きな課題として立ちはだかっている感じです。

この数カ月で、世界の常識、これまでの普通が、否応なく劇的に大きく変わってしまいました。無作為に「元に戻す」わけにもいきませんので、この辺りで「自社の経営として、何を変え、どうすべきか?」を明確にしておく必要があるのではないでしょうか。

ということで、今回は私たち自身の「心理的変容」とそれに伴う実践・行動に関して、考えてみたいと思います。

世界情勢から、私たち自身の「心理的変容」を自覚する

ここでご紹介するまでもなく、世界情勢を見ても、中国の「国家安全法」に対する香港のデモ活動にしても、アメリカ国内での「白人警官による黒人殺害」に端を発した人種差別に対する抗議デモ活動にしても「民主主義 vs 共産主義」「白人 vs 黒人」といった二項対立の構図が背景にあり、その立場の違いをあおり、味方か敵か? という分断を招くアプローチになっているように感じます。

これは社内に置き換えて考えてみても、例えばテレワーク・在宅勤務を取り上げても経営者や管理職からは「本当に仕事をしているのか?」という疑心暗鬼が増す状況や、「私は在宅勤務がしづらい職種だけど、あの人は在宅で何をしているんだか……」といった従業員同士の猜疑心を高めているのではないかといった状況なども少なからず聞かれ、二項対立の構図としては相似しているような気がします。

つまり、今回の新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」の最大の変化としては、こうした急激な変化対応に伴う新たな発見・気付きに目覚める「心理的変容」が挙げられるのではないでしょうか。

「非連続な変化」で気付く「心理的変容」

何事も時代とともに変化していくわけですが、ある一定の時間軸にわたって「連続的な変化」を繰り返していることに対しては、私たち自身も「徐々に連続的に変化」していきますので、その変化を、日々においては自覚的になりづらい側面があります。

もちろん、良い方向に変化していくことが望ましいわけですが、悪い意味で「知らない間にこんなふうになっちゃった」的な変化もあり得ます。そして、このケースの方が一般的には多いのかもしれません。

一方、今回のような強制的な要因で変わらざるを得ない状況に追いやられ「非連続な変化」を余儀なくされることによって、従来であれば、無自覚でいられたことがそうではなくなっていくケースがあるのではないかと思います。

つまり「知らない間に……」的ではなく「アレがあったから、こう考えるようになった」と自分の「心理的変容」に自覚的になりやすい状況だといえます。

「思う」と「考える」の違い

ある方に下記のように言われたことがあります。

最近「思っている」だけの人が多い。「あぁなったら良いなぁ、こうなったら良いなぁ」と思っているだけ……。「思っている」だけでは何も変わらない。

一方「考える」というのは、具体的な方法論まで検討し、かつそれを実践して、初めて「あの人は、よく考えたね」といわれる。

つまり、「考える」という言葉には「実践」部分も含まれているということになります。当たり前ですが、ビジネスパーソンにとって、大切なことは「実現すること」であって「語ること」ではありません。

そして「自分の心理的変容に自覚的」であるときの方が容易に「自分の言葉で、自分の心理的変容を明確に言語化する」ことが可能であり、「明確に言語化」することは、その解決に向けた方法を具体的に明示的にすることに対するハードルも下げてくれます。

実践・行動に対する自らの制約

また、経営者の方だけにとどまらず、リーダー的立場の方や一般社員も含めて「できることからやります・手の届く範囲から始めます」といったニュアンスの発言をよく耳にします。

日本人の謙虚な性質に起因する表現かもしれませんが、この思考では、いつまでたっても「手の届く範囲」は広がりません。役職が上がることで、与えられる権限範囲が広がるということはあるかもしれませんが、ご本人の能力の視点では、その範囲は変わっていません。逆に、この表現が「自らの行動範囲を制約・制限する」ための無意識のうちの都合のいい言葉になってしまっているかもしれません。

私たちは、今、世界中の誰もが経験したことのない状況にあります。つまり、政治・医学・科学・経済……どの分野においても、だれ一人「正解」を持っていないことと同義です。

自分自身の「心理的変容に自覚的」になった領域に関しても、「正解」はだれも持っていません。だからこそ、ご自身として「考え」、それに基づいて「実践・行動」を通じて検証する価値があるのではないでしょうか……。

今回の新型コロナウイルス拡大の影響で、それぞれの経営におけるご自身の「心理的変容」のポイントを明示的にし、そこにある「組織における課題」を解決するための実践・行動をスタートさせるにはよい機会なのではないでしょうか……。

今後も、よろしくお願いいたします。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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