第88回 「令和」の時代の個人の在り方を考える

新元号「令和」の発表もあり、景気の状況は別にして、今年はどことなくそんな華やいだ雰囲気が増しているような気がします。今回は、「平成」という時代に「イチロー」という人物が残した功績を通じて、新たな「令和」の時代の個人の在り方に思いをはせてみたいと思います。

「令和」の時代の個人の在り方を考える

皆さん、こんにちは!
桜が咲き、年度初めで新入生や新入社員が街にあふれ、一年で最も華やいだ季節になりました。新元号「令和」の発表もあり、景気の状況は別にして、今年はどことなくそんな華やいだ雰囲気が増しているような気がします。

そんな中、メジャーリーガー・イチロー選手の引退発表は衝撃的でしたし、あらためて彼の精神性のすごさを感じさせられた気がします。

「昭和」の時代の長嶋茂雄と同様に、「平成」のロールモデルの一つとして、イチローという存在は大きかったのではないでしょうか……。

今回は、「平成」という時代に「イチロー」という人物が残した功績を通じて、新たな「令和」の時代の個人の在り方に思いをはせてみたいと思います。

「平成のイチロー」が残した功績

野球選手としての記録を含めた功績に関しては、皆さんもご承知のとおりだと思いますが、ここでは「長嶋茂雄」に代表される「昭和」という時代が求めていたものとの変化を考えてみたいと思います。

「長嶋茂雄」といえば、間違いなく時代のヒーローだったと思いますが、市井の私たちが知っている限りにおいても「感覚的」な人だったといわれるエピソードは数知れないほど耳にしています。

「好きな四字熟語は?」と問われ「長嶋茂雄」と書いたとか、息子の一茂氏を幼い頃に球場に連れてきて、忘れて帰ってきてしまったとか、思わず噴き出してしまうような言動が多く、トンチンカンなところがあったとしても、誰からも愛されるキャラクターだったように思います。

それに比して、イチローは極めて論理的で哲学的で、精神性を重んじるタイプのように見受けられ、明らかに長嶋茂雄氏とは一線を画すタイプではないでしょうか。

イチローの名言も数知れませんが、先日の引退記者会見の中だけでも興味深いコメントが多かったように思います。
イチローのコメントはさまざまなメディアで発信されていますが、それらから見えてくるイチローには、「野球選手」としてだけではなく、「一人の人」としての「生き方」を考えさせてくれるようなものがあるように思います。
つまり、「長嶋茂雄はスポーツ選手としてのヒーロー」であり「イチローは、一人の人としての考え方におけるロールモデルの一つ」という違いがあるように感じます。

「令和」の時代に求められる「人としての在り方」

つい最近、読んだ本に『「目的志向」で学びが変わる』という千代田区立麹町中学校長・工藤勇一氏の取り組みを紹介したものがあるのですが、ここにも、新しい時代が求める「社会の役に立つ人」としての在り方に関して示唆に富んだ内容でした。

その中にサイボウズ・青野慶久社長との対談が含まれており、下記に挙げたことは、私たちビジネスマンにおいても共通した指摘ではないでしょうか……。

  • 自分の力で生きていける子とは、別の言い方をすれば「人のせいにしない子」です
  • 大切なのは「先生の言っていることは本当に正しいのかな?」「この仕組み、何かおかしくない?」という疑問を持って、何のためにやるのか、誰のためにやるのかを考えられる子供を育てること
  • 人間を否定しちゃいけないし、社会を否定したってしょうがない。自分の人生を楽しむのは自分だ。
  • 「組織の中で我慢しなさい」という教育はもういらない
  • * 工藤勇一、『「目的思考」で学びが変わる—千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦』 ウェッジ 2019年(p.63,76,77,81)より引用

最近、大谷翔平・羽生結弦をはじめ紀平梨花・伊藤美誠といったアスリートや藤井聡太棋士など、若い人の活躍が目覚ましいですが、彼らの発言を聞いていると、上述のようなことをごく当然のことのように、実践しているような気がしてなりません。

片や、自国最優先の保護主義や、極右勢力の台頭といった動きがあることも事実ですが、彼らのような「目的思考」に基づいた「強い個人の欲求」に立脚した人たちが、ビジネスシーンにも増えていく流れは避けられないのではないでしょうか。

大学入試制度や教育改革も進み、今後「ディープラーニング」によって育てられた「本質を見いだす力」を備えた若者が増えていくものと思われます。

このような新しい時代に向けて、私たちの会社は、経営の在り方はどう進めていけば良いのでしょうか。深く考え、決断をする時期が差し迫ってきているように思います。

次回もよろしくお願いいたします。

次回は5月15日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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