第75回 「採用」における工夫

皆さんの会社にも新入社員が入ってくる時期だと思いますが、早期離職されてしまうケースも少なからずあるのではないでしょうか。また、採用活動に関しても、希望者がなかなか集まらないなんてご苦労も多いのではないかと思います。今回は、最近伺ったユニークな選考に関するお取り組みをご紹介します。皆さん自身の会社のお取り組みを振り返る機会にしていただければと思います。

「採用」における工夫

皆さん、こんにちは。ずいぶんと春めいた天気が増えてきました。卒業式・入学式を迎えた学生や新入社員の姿も見られるようになってくるこの季節は、どことなく華やいだ気分になりますね。

皆さんの会社にも新入社員が入ってくる時期だと思いますが、いわゆる「七五三離職」という言葉があるように、お互いのミスマッチなどで早期離職されてしまうケースも少なからずあるのではないでしょうか。

また、採用活動に関しても、そもそもが「売り手市場」の中、希望者がなかなか集まらないなんてご苦労も多いのではないかと思います。

もちろん、いろいろな工夫をしておられるかとは思いますが、なかなか解決できていない企業さまが多いように思います。

今回は、最近伺った企業さまで聞かせていただいたユニークな選考に関するお取り組みをご紹介します。皆さん自身の会社のお取り組みを振り返る機会にしていただければと思います。

選考段階における相互理解

この会社は、従業員100名規模の中堅ゼネコンさんです。組織風土改革に熱心で、いろいろな経営に関する賞に名前が挙がってくる企業さまです。

選考段階における工夫は以下のようなものです。

1次選考・2次選考はいわゆる書類審査や面接をしておられるようですが、最終選考に残った学生さんの選考の仕方が本当にユニークでした。

仮に10名が最終選考に残ったとします。
その方々には役員面接が待っているわけではなく、この会社への「2週間にも及ぶインターン選考」に入るそうです。

いわゆる「インターン」のように、その会社へ実際に2週間通うわけですが、一人ひとりの学生さんにペアで先輩社員があてがわれ、基本的にその社員の日常業務に張りつき、実際の仕事を目の当たりにしてもらうそうです。

当然、その先輩だけではなく、結果的に多くの社員と顔を合わせる機会が与えられることになります。こうして、学生さんには実際に働いている社員の仕事を見聞きすることで、「自分が抱いていたイメージ」とギャップや齟齬がないかを確認してもらう効果があると想定できます。

さらにすごいのは、その2週間の期間を経た時点で学生さんには、自分がその会社で働くことを想定して、“30年後の自分”というテーマで全従業員の前でプレゼンをしてもらうことです。

つまり、2週間実際の仕事を見たうえで、自分が働くイメージを膨らませ、さらには「30年も先の自分を想定して、この会社でこうなりたい・こんな仕事をしたい」という理想を描く作業を求めていることになります。

そのプレゼンを通じて意欲や欲求を聞き、さらにインターン期間に接した彼・彼女らの印象を踏まえて、「彼・彼女となら、一緒に仕事したい」という意思表示としての社員の投票を基に、採用の可否を判断するということです。

こういうプロセスを経て入社してきた新入社員は、当然、会社に対して一定以上のロイヤリティを感じているでしょうし、逆に受け入れる側も、彼・彼女の人となりを理解し、また「自分たちが選んだ仲間」として受け入れ、育てるマインドを持って迎えることになるのだと思います。

これだけのプロセスを経て入社した方々は、世間で一般的として表現される「七五三離職」とは縁遠く、この会社で若い世代の離職はほとんどないそうです。

経営者・トップとしてのコミットの深さ

「社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成のあり方」などといったテーマで書かせていただいていますが、採用・選考一つ取っても、これだけの練りに練った工夫をしておられる会社があります。

私たちが「最近の若い人は……」「土地柄もあるし……」と愚痴ともいえるいろいろな表現で、できない言いわけをしてしまっていることを目の当たりにさせられた気がします。

もちろん、時間も掛かるでしょうし、コストも掛かると思います。また、社員の負担も増えるかもしれません。それでも、こうした取り組みを実施されているのは「経営者・トップのコミット」として、「組織は人なり」との信念があるのだと思いますし、その信念に妥協せずに向き合っている証ではないでしょうか……。

そういう「目指す姿・理想の姿」にコミットして、ブラさずに向かっていく姿勢のもとに、こうした難題をも乗り越えた「発想・工夫・アイデア」が舞い降りるということのような気がします。

さて、皆さんの会社に入ってくる新入社員は、どのような想い・期待を持って入社してこられますでしょうか。

ぜひ、御社の未来を背負っていける人財に育てていただけることを祈念いたします。

今後とも、よろしくお願いいたします。

次回は4月18日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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