第78回 社員の力を「信じる」

2017年度関西経営品質賞 受賞組織のトップスピーチを聞く機会がありました。偶然かもしれませんが、どの企業のトップの方も「会社の側として、どのようにすれば従業員がロイヤルティーを高めてくれるのか」という視点でのお話が多かったように思います。今回は、こうした「従業員が幸せを感じるのか」という視点を考え、それができない会社が今後どうなってしまうのかを考えてみたいと思います。

社員の力を「信じる」

先日、2017年度関西経営品質賞 受賞組織のトップスピーチを聞く機会がありました。

関西経営品質協議会 関西経営品質賞 受賞組織

偶然かもしれませんが、どの企業のトップの方も「会社の側として、どのようにすれば従業員がロイヤルティーを高めてくれるのか」という視点でのお話が多かったように思います。

今回は、こうした「従業員が幸せを感じるのか」という視点を考え、それができない会社が今後どうなってしまうのかを考えてみたいと思います。

日大問題から見る組織と構成員の関係性

先日6月2日付・日本経済新聞「春秋」で日大問題に関して、下記のような記述がありました。

「あの人たちの言動は、私たち自身の影かもしれない。まさか。でも、否定しきれるだろうか。仕事で、彼らに近い振る舞いはなかったか。~中略~もう一つの自分と向き合わないと身を滅ぼすという警鐘だ。」

  • * 参考

6月2日付 日本経済新聞「春秋」

部員や教職員といった、今までは組織の常識・横暴に異を唱えることのなかった人たちが反旗を翻しているようですが、こうした事例を見るまでもなく「従業員が幸せを感じていない組織の永続性」が確保されるとは思えません。

関西経営品質賞 受賞組織からの学び

ゴールド賞を受賞された、大阪・道頓堀でビジネスホテル経営しておられる「株式会社 王宮」の方は

(1)自分の意見を聞いてくれる土壌があるか

(2)自分の成長を実感できるかどうか

(3)会社から大切にされているという実感を社員が感じているか

(4)自分の仕事が社会の役に立っているという実感があるか

という四つのポイントを挙げておられました。

特に(4)に関しては、社内の人たちは当然、「お客様が心から、私たちが掲げている経営理念・ビジョン・使命を達成することを願っているかどうか?」が重要ではないかとコメントしておられました。

つまり、顧客が「この会社を応援したい」とファンのように思ってもらえるかどうか、という視点です。別の言い方をすれば、これが「社会性」なのではないかとの指摘でした。
これはなかなかハードルが高いのではないでしょうか……。

そんな話を聞いたあとで、鎌倉投信・新井和宏氏の話がありましたが、その中でも下記のようなキーメッセージがありました。

  • 誰かの犠牲で成り立つ経済を終わらせよう
  • 「自分(たち)だけが“勝つ”」ために「手段」を選ばない会社・人は、結果的に社会の誰からも受け入れられず、愛されない時代になっている(≒日大問題が典型)
  • どれだけ利益が出ても、(志の高い優秀な)人が集まらなくて会社が潰れてしまう時代
  • 少なくとも「優秀な人」ほど、お金では刺さらないので、その会社には集まらなくなる
  • 結局、どれだけ「ファンを増やすか」「愛される会社になるのか」に尽きるのではないか

などなど

広島のとある中学校の取り組み

そんな「組織とその構成員(会社と社員)」の関係は、どのように構築していくのでしょうか。
一般的には「その組織にいる一人ひとりの思考性・マインドセット」に行きついてしまうことが多いかと思いますが、同時に「そうした一人ひとりの思考性を生んでいるリーダーの在り方」とも捉えられます。つまり、「どちらか一方の問題」ではなく、お互いが「自分事」として捉えなければならないのではないでしょうか。

広島の中学校の動画投稿が話題を呼び、本質的な課題解決につながったという報道を知りました。

学校が動いた!中学生の「カバン重い」動画

このテーマも、問題を「重い荷物」にとどめずに、先生が生徒を信じずに管理するのではなく、また生徒も自分たちの意見を主張するだけではなく、お互いがお互いを認め合い、リスクや痛みをも「自分事」として捉え、「先生と生徒の信頼関係」にまで踏み込み、学校側も「リスクを冒し」、生徒自身も「その実現のために、痛みを受け入れた」という点で、学ぶべき点があるように思います。

ここから学ぶべきは「現時点の社員の能力の有無」ではなく「人としての誇り」や「真摯さ」を信じる力がリーダー側にあるかどうかにかかっている、という点なのかもしれません。

リーダーが「社員を信じる力」を持てずに、自分の言いなりにしてしまうことがまかり通ってしまっている会社には、今後、社員として参画してくれる人が来てくれずに、経営が立ちいかなくなってしまう時代が近づいているのではないでしょうか……。

ご参考にしていただきますよう、ご参照ください。今後ともよろしくお願いいたします。

次回は7月18日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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