第50回 「”従業員の成長”を支援する企業」への進化

皆さん、こんにちは!
2016年最初の投稿になります。本年もよろしくお願いいたします。

年が明けてから、上海ショックによる株価急落・サウジとイランの国交断絶・トルコやインドネシアにも広がっている様相のISのテロ……と世界中でいろいろな軋みが顕著になっているように思います。温暖化による地球環境や異常気象といった自然界だけでなく、人類の歩みも含めて、今のあり方に疑問を持って、振り返る時代を迎えているのかも知れませんね。そんな影響でしょうか、年明けから多くのコラムで「本質回帰」的な論調が目立つような気がします。

このコラムのテーマでもある「組織の活性化・自律的従業員」といったキーワードも改めて「本質的」に見直されているように思います。

「会社の成長のための従業員育成」から「従業員の成長を支援する会社」へ

従来は「“会社が主”で、“従業員が従”」という概念が一般的でした。つまり、“会社”の成長や、業績を高めたり、顧客からの評価を得たりするために“従業員”の成長・スキルアップが求められていました。
ところが、現在は“従業員という一人ひとりの人生”にフォーカスされており、「“従業員の成長”を支援する企業が、結果として“会社としての成長や業績”が高まる」という構図になりつつあり、“主従の逆転現象”が起こっている気がします。


年が明けてからの各種メディアで私が目にしたものだけでも、下記のようなものがあります。

チームのことだけ、考えた(サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久氏 著) 最も根本的で、最も効果的に使える経営の法則(書籍オンライン ダイヤモンド社Webサイト)

あなたは「人生の当事者」になっていますか? 株式会社スコラコンサルトプロセスデザイナー 柴田昌治氏(日経ビジネスONLINE Webサイト)

あなたはなぜ、そこで働くのか 一橋大学名誉教授 野中郁次郎氏×株式会社ローランド・ベルガー日本法人会長 遠藤功氏(日経ビジネスONLINE Webサイト)

特集 2016年こそ 無気力社員ゼロ計画(日経BPマーケティング Webサイト)

特集1 脱 ・ 会社本位経営(日経BPマーケティング Webサイト)

ある経営者の方の体験(四国管財株式会社 お客様係&代表取締役社長 中澤清一氏)

以前から面識のある「四国管財株式会社 お客様係&代表取締役社長 中澤清一氏」の、ごく最近に東京でタクシーに乗った時に体験された事例をご紹介させていただきます。
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・キャリー鞄はトランクへ入れるほどでは無いので一緒に席に積み込むと奥の方へ態々車から降りて来て右の扉から寄せてくれた。

 ・行先の住所を告げるとメモにキチンと書き取ってナビに入力してくれ想定の到着時間と「安全運転でまいりますが念のために恐れ入りますが安全ベルトを締めていただけますか」と 告げられた。

・少し走って「これどうぞ」と飴を二つ出してくれたが、以前に「他の運転手さんがそんな前例を作られたら困るということで自腹でもダメになった会社の話」を思い出し「この飴は実費ですか?それとも会社の戦略?」と尋ねると「当然実費です。20個入りで毎日5袋買 います」ということだ。ということは、このタクシーのお客様が少ないと嘆いている時代に1日50名も載せているということになる。

・突っ込んで聴いて分かったことはただ漠然と車を走らせているわけでなく、天候・曜日・時間帯など全てをデータに取り、どの場所にお客様が居るかを自分で日々研究して現在に至っている。

・お釣りは 全てピン札。お釣りが無くコンビニにお客様に走らすようなことは絶対しない。

・会社の方針は、私物持ち込み禁止だが検索用にiPadを常備し、臭いも基準は無臭だが乗車客 のクレーム2位は臭いなので色んな種類を試してグリーンのファブリーズも常備していた。

・サングラスもガラが悪いので禁止なのだが、この時期は太陽が低いので安全運転のために瞳が見える範囲のサングラスを着用。

・お年寄りご夫婦が買い物の帰りに乗車すると、荷物を奥へそして真ん中におばあちゃん、入口におじいちゃんのパターンが多いので急ブレーキになると真ん中のおばあちゃんが運転席の方へ飛んでしまうので、必ず助手席へシートベルトを付けて荷物は置く。

・極めつけは、家は会社からそれほど遠くないにも関わらず、出勤はタクシーで通う。理由はタクシー運転手はタクシーにお客さんとして乗っている人は少なく、タクシーを利用することで少しでもお客様の気持ちを理解するため 等々。

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会社のルールは全員に最低限当てはまる内容として確立されるものではあるものの、それを守ることが全て「是」とするのか、それ以上に考えることを許容する組織風土にするのかは、非常に面白い事例の一つではないでしょうか。

第2回「ホワイト企業大賞」受賞企業の底力

以前にもご紹介したことのある埼玉の産業廃棄物処理業の石坂産業さんですが、第2回ホワイト企業大賞にも選考されました。

石坂産業株式会社さまWebサイト

第2回ホワイト企業大賞発表!(ホワイト企業大賞Webサイト)

「ホワイト企業」という表現は、まだ認知度は必ずしも高くないかも知れませんが、「ブラック企業の対極」という位置づけでホワイト企業の定義である「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業」から、三つの大項目(個人、職場の関係性、社会貢献)と四つの小項目(【1】人間的成長、【2】自律、【3】信頼、【4】誇り)」で評価しています。

その石坂産業さんでは先日の首都圏の大雪による交通マヒで混乱した日に、下記のような事があったそうです。
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石坂社長が朝6時半に主要社員へ雪かき対策の指示をするメールを入れても返答がなく、夜間警備へ確認してみると、既に有志ら20名位が5時過ぎから除雪をしているとのこと。定時には皆、体制ができていた。この会社は彼らのような社員でつくられていることを強く感じ「貴方たちのような意思や行動で会社は強く成長する」と胸が詰まり頭が下がった。

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決して平坦な道のりではないかも知れませんし、簡単なことではないかも知れません。
でも、年の初めに、あらめて「“従業員の成長”を支援する企業」への進化を目指してみませんか。

今後ともよろしくお願いいたします。

次回は2月24日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピュータ営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績に繋がる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成のあり方を考える バックナンバー

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