第40回 「真の勇気」を与える

皆さん、こんにちは!
あの3.11東日本大震災から早くも4年が経ちました。皆さん、それぞれの立場でそれぞれの想いや感じ方を抱かれておられると思います。

世の中では、あの時を境に「社会に貢献する」というキーワードがクローズアップされ、働き方に対する価値観も大きく変貌していると言われています。
↓ ↓ ↓
【参考】仕事観、人生観…震災は人をどう変えたか
一橋大学大学院商学研究科教授 守島基博氏

仕事観、人生観……震災は人をどう変えたか(PRESIDENT Webサイト)

実際に、若い人たちの起業は、いわゆる「社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)」と呼ばれるカテゴリーに含まれる内容が急増しています。
このような状況を認識した上で、「今、私たちの会社にいる従業員」がどのようにすれば、「自律的に、主体的になる」に向けた「最初の一歩」を踏み出せるのか?を考えていきたいと思います。

■褒めて、育てる
昨今の各種マネジメント関連書籍では「ストレス耐性が弱い最近の若い人には、「叱るよりも褒めろ」とか「叱るにしても、その叱り方が云々」と言った内容のものが溢れています。

もちろん、「褒められる・認められる」ということは、従業員側からすると嬉しいでしょうし、「コーチング」においても「承認・認知」の重要性は言われていますし、いわゆる「その気になる」という効果は間違いなくあると思われます。

ただ、気をつけないといけないのは、これらはいずれも「マズローの欲求5段階説」に基づくと「自我・地位の欲求」に該当し、「外発的動機づけ」に位置付けられるということです。

つまり、「褒められたから頑張る」「認められたので、ヤル気が出る」となることはほとんどの場合、間違いありませんが、気を付ける点として、その「褒められる・認められる」が「目的化」してしまうと、「褒められないのでやらない・認められないからやらない」と、その理由を「他責的」に転嫁してしまう可能性と隣り合わせにあることが挙げられます。

■自律的・主体的ということは…
本来、「自律的・主体的」ということは、動機付けのきっかけが「その本人の中から生まれる」ことが継続性の条件になるのではないでしょうか。

「知っている」という「知識」の段階から「行う・できる」という「行動」の段階に進むキーワードとしては「好き・楽しい・憧れ・尊敬・憤怒」等が挙げられ、それが「夢・志・使命感」に昇華されることによって突き動かされるのかも知れません。

だとすると、リーダーである経営者の皆さんは、どのように従業員の方々にアプローチすれば良いのでしょうか?

皆さんには、「働く人たちには、仕事を通じて成長してもらいたい・社会に役に立つ人になってもらいたい」とか「そのために、自律的に考えられる人間になってほしい」という「大義」をお持ちだと理解しています。

■2種類の勇気
「軍人勅諭」という明治時代に作られた文章の中に
武勇には「大勇(真の勇気)と小勇(小事にはやる、つまらない勇気)」があり、この二つは全く異なる。血気にはやり、大声を出す等、粗暴な振る舞いをすることは、武勇とは言えません。ということが書かれています。

また、「武勇を重んじる者は、いつも人と交際するには、温厚であることを第一とし、世の中の人々に愛され敬われるように心掛けなさい。理由のない勇気を好んで、威勢を振り回したなら、遂には世の中の人々が嫌がって避け、山犬や狼のように思うであろう」とも記されています。

つまり、非常に厳しい「軍人」でさえも、本来は怒鳴ったり、強制することを肯定的に考えていたわけではなかったことになります。一般的に、私たちが認識している「軍隊イメージ」とはずいぶん違うのではないでしょうか・・・。

どこで、どう道が変わってしまったのかは別にして、リーダーである皆さん自身がお持ちである「大義」を目指し「大勇」を持って部下・従業員と接することを通じて、彼ら自身にとっての「大義」を考えさせ、「大勇」を持って一歩を踏み出せるようにキッカケを与えられる人物になる必要があるのではないでしょうか。

私の尊敬する経営者の方の口癖を紹介させていただきます。
「会社にとって都合の良い社員になんかなるな! 自分の成長に納得、誇れる仕事をしているか?」という表現です。
経営者であるリーダーからのメッセージが大切である事は言うまでもありませんが、経営者個人の努力も有限ですし、従業員の側も、仮に頭で分かっていても、なかなか「大勇」を持って、歩を進める事は簡単ではありません。

そういう意味で「勇気を持って歩を進める」仕組みが求められるのではないでしょうか。

「会社の業績を上げる」ための道具としての「従業員(人材)」ではなく「“人”としての成長を支援する会社」が成長する時代になっています。

私たちの会社には、そんな「第1歩」を踏み出すことを支援する仕組みはあるのでしょうか…。
一度、振り返ってみてはいかがでしょうか。

今後も、よろしくお願いいたします。

次回は4月15日(水)更新予定です。

★更新情報は「ERPナビ(大塚商会)Facebookページ」にて!

このコラム読者におすすめの製品

この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピュータ営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績に繋がる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成のあり方を考える バックナンバー

ページID:00080461