第23回 社会的価値創造が、社員を輝かせる

皆さん、こんにちは!
いつまでも暑さが続いていますが、体調はいかがでしょうか。

最近、色々な場面でセミナーやワークショップでお話をさせていただくケースがあったのですが、時代の要請なのか「今後の価値創造や顧客価値創出」に関するテーマでのリクエストが続いている印象があります。

そんな中、先日久しぶりにある企業のベンチマークに参加させてもらう機会があったのですが、久しぶりに度肝を抜かれるような「価値創造」を実践している会社であり、同時に「社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成」を両立させていたので、今回ご紹介をさせていただきたいと思います。

■おもてなし経営企業選
その会社は、経済産業省「平成24年度 おもてなし経営企業選」にも選出されているのですが、この選出企業には、あの有名な伊那食品工業や第6次産業の旗手として「塚田農場」のブランドで飲食店経営/エー・ピー・カンパニー、「新幹線お掃除の天使たち(著:遠藤功氏)」でも有名な東北・上越等の新幹線の車両清掃/JR東日本テクノハート等といった会社が名前を連ねています。

また、「先進的モデル企業」としては、ネッツトヨタ南国、万協製薬といった日本経営品質賞の受賞企業や、でんかのヤマグチ、旅館の加賀屋、沖縄教育出版といった会社の名前が並んでいます。

おもてなし経営企業選(経済産業省Webサイト)

そして、今回ご紹介させていただく会社は「石坂産業株式会社」です。
どのような業種の会社だと思われますか?

■ 石坂産業株式会社

石坂産業様 Webサイト

石坂産業の上記のホームページを見ても、一瞬、業界が分からないのではないでしょうか。
事業内容は、何と「産業廃棄物中間処理業」です。

いかがですか?少なくとも私自身、初めて聞いた時には「産業廃棄物中間処理業」という業種と「おもてなし企業」が即座にはつながりイメージ出来なかったのが正直なところでした。
一方で、その想像がしづらかった「ギャップの大きさ」が、私の興味をそそった部分であることも事実です。

この会社の凄さは、この紙面では書ききれない程、満載ですが、「おもてなし企業」に至った背景を石坂典子社長のお話から抜粋して簡単にご紹介させていただきます。

  • 昭和42年 お父様が土砂処理業・解体業として創業
  • まだまだ使えるモノを捨てている状況を見て、「こんなんでイイのか?」と感じ、産業廃棄に転換
  • 1998年 所沢ダイオキシン報道事件に伴う産廃業者反対機運高まりパッシングを受ける
  • 当時、最新の高額な焼却炉設備を導入直後でもあり、焼却を止められない状況の時に現石坂社長が創業者に「産廃業者を将来どうしたいの?」と問いかけ「産業廃棄業は社会にとって不可欠な業種なので続けたい」との回答に一念発起、リサイクル100%を目指す方向にシフトする方向に
  • 「産業廃棄の作業に伴う騒音・臭い等に加え、周辺の土壌汚染等環境に悪い影響がある」との中傷を受け、全天候型施設に
  • 全天候型にしたにも関わらず、今度は「中で悪いことをしてるのでは?」と疑いは晴れない
  • であれば、「いっそすべて見せる、廃棄物があっても土壌汚染にならないことを証明しよう」と工場見学、周辺を公園緑化し一般開放、将来の環境を作る子供たちの環境教育に取り組む
  • 「生物との共生」を掲げ、「植物・地・水・生物」といったあらゆる自然生態系の環境回復・保全に取り組み、木を植え、森を守り地域の生態系に貢献
  • 産業廃棄物業者の社会的認知・評価の向上を目指す

といったところでしょうか…。

■この会社に集う人々
このような取り組みを実践してきたこの会社の工場見学をさせていただいたわけですが、私たちを案内・説明してくれた方は20歳代前半の若い女性の方でした。

私の「どうして、この会社に就職しようと思ったのですか?」の問いに彼女は、満面の笑みで微笑みながら「この会社が社会で役に立つことを目指していることに共感できたからです」との答え・・・。
さらに聞くと、従業員約100名の中、女性社員が30名もおられるとか。

そして、石坂社長は「人がやらない、大変な仕事だからこそ、誇りを持ってやってもらいたい」との発言…。

■社会的価値向上を目指す会社の社員は輝く
もう説明はいらないかも知れません。

経営者であるリーダーの「産業廃棄業は社会にとって不可欠な業種なので続けたい」をきっかけにした志と、それを実現するためにあらゆる障害や難題を乗り越えてきた強い意志。

そして、「社会に役立つ企業として価値を生み出す」という会社の考えに共感して、入社してくる従業員。

この好循環が回れば、その会社で働く人たちは、やりがいを持って、自分の仕事に誇りを持っていて当然の結果なのかも知れません。

やはり、この好循環のスイッチを入れることが、経営者である皆さんの最大の使命なのではないでしょうか…。

引き続き、よろしくお願いいたします。

次回は11月20日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピュータ営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績に繋がる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成のあり方を考える バックナンバー

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