第43回 「ホワイト企業」と「いい会社」

皆さん、こんにちは!

最近では「ブラック企業」という言葉が、すっかり定着した感がありますが、皆さんの中で「ホワイト企業」という表現の方を聞かれたことのある方は、どのくらいいらっしゃいますでしょうか。
最近使われている「ブラック企業」とは、狭義では残業問題だけを含めた過重労働やパワハラ・モラハラを含めた恐怖政治的経営を意味しているわけですが、これは一言でいえば「経営者と従業員の関係」そのものを指しています。

ホワイト企業大賞というものがあります。
「ホワイト企業」とは、ブラック企業の対極にある会社のことであり、ホワイト企業大賞事務局では「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にする企業」と定義づけしています。

ホワイト企業大賞(ホワイト企業大賞企画委員会Webサイト)

このコラム読者の経営者の多くは「ホワイト企業」の目指すところと同じ方向性を志向しておられると思います。

今月は、まだ余り耳慣れない「ホワイト企業」のあり方と共に業績や経済性の両立に関してご紹介させていただきます。

「ホワイト企業」とは何か

「ホワイト企業大賞」では、上記のとおりその定義を「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にする企業」としており、第1回受賞企業として未来工業・ネッツトヨタ南国があり「日本経営品質賞」受賞企業と重複する結果になっています。

判定委員には元SONY常務でAIBOの開発のリーダーをしておられた天外伺朗氏や原田メソッドで有名な原田隆史氏、慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科委員長の前野隆司氏、「スラムダンク勝利学」で有名なエミネクロス代表の辻秀一氏をはじめとした、いわゆる「幸福学」分野の方々が中心になっておられます。

ホワイト企業大賞のWebサイトに、以下のような記載があります。
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一般にブラック企業より、ホワイト企業の方が業績は良い。社員を犠牲にして利益を追求しているブラック企業よりも、社員の幸せを大切にしているホワイト企業の方が、利益はあがっているのだ。おそらく、合理的に利益を追求するよりも、社員の人間性や「やる気」を尊重するほうが、企業の業績や成長に貢献するということだろう。
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何となく頭や理屈では「そうなんだろう」と思いながらも、短期的な業績・直近の成果を求めるが故に、ブラック企業的に「社員に犠牲を強いるマネジメント」をしてしまっている現実もあるのではないでしょうか。

投資は「きれいごと」で成功する

そもそも、本当に「社員の幸せを大切にしているホワイト企業の方が、利益はあがる」ものなのでしょうか。

そういう意味では、いわゆる「ホワイト企業」に対して、企業としての成長性や経済性といった視点からはアプローチしてきたケースは、必ずしも多くなかったのではないかと思います。

古くからの取り組みとしては、毎年アメリカ「FORTUNE」が発表している「Great Place to Work(GPTW / 働きがいのある会社)」が挙げられるくらいでしょうか……。

ところが、先日、NHK「プロフェッショナル」で紹介された「鎌倉投信・新井和宏氏」らの活動と実績からは、そのことが明らかになってきているようです。

詳しくは『投資は「きれいごと」で成功する』(刊:ダイヤモンド社)をご覧いただいた方がイイのですが、鎌倉投信の唯一の「結い2101」という商品は「R&Iファンド大賞2014」の投資信託・国内株式部門とNISA・国内株式部門との2部門で優秀ファンド賞を受賞されています。

この「結い2101」という商品は、ベンチャーや今はまだ赤字の会社を含めて「いい会社」を選りすぐって投資をしています。

鎌倉投信は、「いい会社」の定義を下記のようにしています。
↓ ↓ ↓
「いい会社」とは、規模の大小でもなければ、上場非上場も関係ありません。 「これからの日本にほんとうに必要とされる会社か否か」です。 株主や経営者など特定の人が多くの利益を得る会社ではなく、 社員とその家族、取引先、地域社会、お客様、自然・環境、株主等の利益の調和の上に発展し、 持続的で豊かな社会を醸成できる会社です。規模から質へ、拡大志向から循環志向へ、物から心へ、 競争から共創へと向かう社会の構造変化に順応できる会社です。
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鎌倉投信のWebサイトでは、日本中から探し求めた「いい会社」が紹介されています。

THE COMPANY FINDER | 鎌倉投信(鎌倉投信株式会社Webサイト)

企業は、業績を上げ続けなければなりません。それは、存続の意義を証明することそのものだと思いますし、存在価値がなければ市場からの撤退を余儀なくされることになると思います。

注意が必要なのは「上げ続ける」という部分です。ブラック企業と呼ばれるところも手段の良し悪しは別にして業績を上げることには必死になっていると思います。それは、どの会社でも同じだと思います。

ただ、「目先(短期)の業績を上げる」ことに陥っていないか?ということです。「業績を上げ続ける」ということは、その企業の提供する製品・サービスに価値があり続けなければいけませんし、その価値が「社会的に意義のある」ことであることが、より望ましいのは当然です。

同時に「その価値を生み続ける従業員」が不可欠なこととして紐づいており、「生み続ける」ためには、一人ひとりの従業員が、その能力を最大限に発揮し続けなければなりませ。そのためには「従業員がイキイキ・ワクワクして働ける環境」が必須になってきます。

「前向きになってほしい」「自主的に考えてほしい」と言ったからといって、人は「前向き」「自主的」になれるものではありません。経営者自身が「前向き・自主的になれる仕組み・環境」を整えるしかないのではないでしょうか。

「ホワイト企業」・「いい会社」という表現の根底には「人を大切にする・人間性を尊重する」という考えが絶対条件になるのではないでしょうか……。

皆さんの会社従業員の一人ひとりも、自分の会社は「いい会社」であって欲しいと願っているに違いありません。

その想いを実現させてあげられるのが「経営者」という立場の方なのではないでしょうか……。

今後も、よろしくお願いいたします。

次回は7月15日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピュータ営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績に繋がる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成のあり方を考える バックナンバー

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