第56回 佳き社員、佳き経営者を創る

皆さん、こんにちは!

この夏の猛暑の兆しを感じる毎日になりましたが、イギリスのEU離脱に始まり、世界各地でのテロ勃発、国内でも参議院選挙に続き、東京都知事選と慌ただしさが増しているような気がします。

ここ何回か、組織のリーダー側に焦点を当ててきましたが、今回は「フォロワー側」である「社員の意識・考え方」に始まる「組織における思考のクセ」という視点で考えてみたいと思います。

「働くことの意識」

先日、公益財団法人 日本生産性本部「職業のあり方研究会」と一般社団法人 日本経済青年協議会が、平成28年度新入社員1,286人を対象にした「働くことの意識」調査結果を発表しています。
毎年実施されている調査ですが、「働く目的」では「楽しい生活をしたい」が増加し、過去最高を更新する一方で「自分の能力を試す」は過去最低となっています。また、「人並み以上に働きたいか」では「人並みで十分」も過去最高をという結果です。

調査自体は新入社員が対象ではありますが、こうした風潮を考えても、あらためて私たち先輩である社員一人ひとりにも、社員重視の実践が問われているような気がします。

上記調査の詳細結果は以下のURLをご参照ください。

平成 28 年度 新入社員「 新入社員「 働くことの意識」調査結果(公益財団法人 日本生産性本部Webサイト;PDF) [889.77KB]

「働く目的」

そもそも「働く目的」とは、一体何なのでしょうか…。
もちろん、価値観は人それぞれなので、一概に一括りにするような性質ものものではないことは承知しています。

ただ、少なくとも一日の大半、引いては一生の中でもかなりのウエイトを占めている「働く」という行為、「仕事」の目的を、自分なりに考えておくことは大切なのではないでしょうか。

「生活するためのお金を稼ぐ」ということが目的の大きな要素であることは自明だと思います。このことは大切ですが、これだけではないと思います。

時々、こんな質問をすることがあります。「もし、一生、生きていくのに困らない巨万の富を得たとしたら、貴方はそれでも働きますか? それとも、もう働きませんか?(今いる会社とは限りません。NPOやボランティアも“働く”に含まれます)」

すると、少なくとも7割を超える方々が「働く」と回答されるケースが多いように思います。ということは、こうした方々は「働く」という行為に、お金以外の何らかの「価値・意味」を見出している、もしくは無意識だったとしても感じているということではないでしょうか。

「他責思考」の蔓延

私が関わらせていただいている幾つかの会社でイノベーションが進みにくい、もしくはブレーキが掛かってしまう会社に共通した傾向があります。

それは社員の多くが「働く価値・意味」を「報酬・お金」以外に見出していないケースです。そして、その方々の多くが「与えてほしい」「~してほしい」「~してくれないからやれない・頑張れない」という「他責」の表現を多用することです。

そして、そうした方々は「会社・経営者を共通の敵・矛先」として、徒党を組んで、悪い意味で一致団結してしまいがちです。

そのような「会社・組織」では「真面目に前向きに捉えている方々」にも「違う意見を言うと疎外される」という不安を助長し、口を閉ざさせ、「風通しの悪い組織」に拍車をかけて「組織としての思考のクセ」が顕著になってしまいます。

これって、長らく学校教育でも問題になっている「いじめの構造」と似ていますよね…。

佳き社員、佳き経営者を創る

今年の新入社員の多くも、小学生・中学生の頃に、身近に「いじめ」が有ったであろう年代だと思います。

「おかしい・間違っている」という違和感・問題意識を持っていても、自分が巻き添えに合うことを怖れ、事なかれ主義で過ごしてしまった「若かりし苦い経験」を胸に抱いているかも知れません。

そんな過去の経験を持っている人たちが、「会社」という組織に入って、周りの先輩社員を中心とした「思考のクセ」に巻き込まれてしまいがちになるのではないでしょうか…。

これからの「会社の成長を担う人たち」をそんな形で芽を摘んでしまうのは、大きな損失です。

今いる先輩社員である私たちが、勇気を持って、「他責」ではなく「自責」として「できる事・やるべき事・言うべき事」と向き合うことが「社員としての“志”」であり「組織の思考のクセ」を変えていかないといけないのかも知れません。

そうした「志ある社員の姿」を見て、経営者の方も勇気づけられ、経営者自身の芯も太くなっていくのではないでしょうか。

もちろん、「経営者・リーダーの役割」が大きいことは間違いありませんが、「経営者・リーダー」も人間です。そんな「人間の弱さ」を支えるのは「社員の姿」なのかもしれません。

ポーター賞受賞企業である東海バネ工業株式会社・渡辺良機社長が、こんな言葉を教えてくださったことがあります。

佳き経営者、佳き社員を創り、
佳き社員、佳き経営者を創る

社員が意欲を持って、自律的に働く会社を増やしていきたいものですね。
今後も、よろしくお願いいたします。

次回は8月24日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピュータ営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績に繋がる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成のあり方を考える バックナンバー

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