第117回 補佐役・参謀・ナンバー2 ~その2~

今回のコラムのテーマである補佐役は、経営者に正しい判断をさせることが仕事になります。必要なスキルや性格、失敗しがちなパターンについて考察します。

補佐役・参謀・ナンバー2 ~その2~

前回のコラムで、補佐役の基本的な仕事内容などを記述しましたが、今回のコラムでは、補佐役の失敗しがちなパターンからお話しします。

補佐役の失敗しがちなパターン

パターン1:経営者の指示をそのまま聞いてしまう

経営層の指示をその言葉どおりに聞いていませんか。補佐役は経営者の言葉の裏や真意を読まなければいけません。口調、表情などから経営者の本心をくみ取ることが重要です。場合によっては、経営者に質問することも必要です。そのためにも経営者との密接なコミュニケーションが日ごろから必要です。

パターン2(パターン1に若干似ています):経営者の指示に従って、現場の意見や少数意見を無視してしまう

補佐役が何を重要視しているのかにも関連してきます。役職や職種を重視するのか、あるいは少数意見にも耳を傾けるのかという姿勢は日ごろの態度に表れます。少数意見や現場の意見に日ごろから注意する姿勢を見せていないと、現場から信頼されなくなり、貴重な意見も言ってくれなくなります。

パターン3:最初の計画に固執しすぎてしまう

計画をコロコロ変更するのも良くありませんが、最初に立案した計画、課題などにあまりに固執し、新たな視点で物事を見られなくなってもいけません。むしろ、当初の計画が変わっていくことを楽しむくらいの余裕が必要です。

パターン4(パターン3に関係があります):自分の知見の中で判断してしまう

人間は自分の今までに経験したこと、知っていることから判断しようとします。自分の知らない内容を基に物事を決めるのは勇気がいります。中には自分の知らないことを他人が知っていることを認めたくない人もいます。補佐役は自分一人の力ではなく、多くの知見や経験を自分のために使うように仕向けることも必要です。もちろん補佐役は、他人の知見や経験を取り入れる度量や人に任かせることも必要です。

パターン5:分からないことや知らないことを人に聞けない

補佐役をしている人は、それなりの役職にもついているでしょう。ある程度の役職者になりますと、人に「知らない」と言えなくなり、知らないことを他人に聞けなくなる人がいます。理由は「こんなことも知らないのか」などと思われたくないとか変なプライドが邪魔をしているようです。補佐役に変なプライドは必要ありません。
私が新入社員のとき、初めての直属の上司だった人の話ですが、「自分はあほやから、ちょっと教えてくれる?」というのが口癖の人がいました。新入社員の自分が言うのならまだしも、役職者の人が言う言葉なのかと思いましたが、すぐにこの人は「強い」と感じたのを今でも覚えています。何が強いのかははっきり説明できませんが、今でも自分の中に鮮明に残っています。そして、今では自分も時々まねして使っています。教えてほしいとお願いされて、気分を害する人は少数です。ほとんどの人は喜んでいろいろ教えてくれます。まさに吉川英治の『われ以外みなわが師』です。

補佐役に必要なスキルとは

次に補佐役に必要なスキルや性格についてです。前回のコラムでも触れましたが、院内外から情報を収集する必要がありますから、フットワークは軽くなければいけません。いつもデスクにいる補佐役は機動力不足と自覚すべきです。

必要な能力としては、仮説を出し、その仮説に対するシナリオを描ける能力です。しかも仮説、シナリオは一つではなく、複数の仮説、シナリオを描けなければいけません。いつも仮説どおりに事が進むとは限りませんから、状況に合わせた仮説を出せる能力が必要なのです。描くシナリオは計画に落とし込むこともありますが、計画も一つではなく、複数の計画を立案する工夫もほしいです。

自分がよく使う手法としては、事前の課題、計画が全てうまくいったケース(最高のケース)と全てうまくいかなかったケース(最悪のケース)、そして、その中間ケースの三つのケースを想定して作成します。

補佐役は経営者などにブリーフィング、プレゼンテーションをする機会が多くあります。相手に理解しやすい資料を作成しなければなりませんが、あまりにそのことに注力してきれいすぎる資料をいつも準備していませんか。場合によっては殴り書きの手書きの資料でも、相手に伝わりさえすれば構わないのです。

自分はブリーフィング、プレゼンテーションの際に、事前に今回の対応での「獲得目標」を必ず決めておきます。獲得目標は「理解してもらう」、「結論を出す」などさまざまな目標はありますが、事前に目的を明確にしておくことは資料作成にも関係してきますし、スケジュール管理など、多くのことに影響を及ぼします。

何よりも大切な補佐役に必須の条件

最後に補佐役に必須の条件があります。それは「想い」を持っていることです。経営者に対する想いや病院に対する想い、患者に対する想い、職員に対する想いなどです。この「想い」が補佐役には何より大切です。

皆さんは、どう思いますか?

次回は10月13日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社FMCA 代表取締役

藤井 昌弘

1984年に医療関連企業入社。院内の各種改善活動を指導。急性期医療機関出向、帰任後、厚生労働省担当主任研究員として厚生行政の政策分析に従事。2005年退職、株式会社FMCAを設立。原価計算の導入と活用、病院移転に伴うマネジメントも実施。
株式会社FMCA

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