第24回 費用削減改善編 物品購入対策

■購入額削減
医療機関の様々な経費の構成割合をみると、人件費に次いで高いのが医薬品費や診療材料費などの材料費です。
診療行為には投薬や処置、手術などといったさまざまな材料を消費します。また事前にどのような疾病の患者が何人来院するかは分かりませんので、経験則などから予測してストックしておかなければなりません。
中にはFFPなどの輸血用血液製剤のように非常に短い消費期限のものもあります。そこで「資材」を『死材』にしない工夫が必要になります。

物品購入のマネジメント
1、購入費用の把握と対象物品のリストアップ
2、費目、類似対象品ごとの費用削減対象のリストアップ
3、対象品目の分類と使用実績とその費用
4、理論的な観点からの使用量試算とロス数値試算
5、単価の交渉余地の探索(現業者および同業他社)
6、理想的単価の設定と契約交渉
7、理論的使用基準の提示と遵守運用マニュアル
8、購入費用逓減検証と維持管理

活用するツールは、SPDシステムです。このSPDシステムにも実はさまざまなタイプがあります。
在庫を院内に置くタイプや院外に置くタイプなどです。以下に図にして整理しました。

このように、様々なメリットとデメリットが混在していますので、それぞれの病院の状況に合わせて選択することが重要です。
医療機関の在庫管理で難しいのは、欠品させてはいけないという「思考」そのものです。
いつ必要になるか分からないものを欠品させないようにしなければと考えれば、担当者は少しずつ余分に発注するでしょう。そのほうが安心ですからです。そこに落とし穴があります。
費用も余分に発生しますが、在庫スペースも広く確保しなければなりません。在庫スペースはいくら広くても一銭も収入を生まないスペースです。
このスペースを小さくして診療ブースを一つでも作れば、どんなに生産性がよいことでしょう。
このようなことからも適正在庫とその管理がいかに重要なのか理解して頂けるでしょう。

■ロスの考え方
病院で購入した様々な材料は、すべて使用されているでしょうか?答えはNoです。
色々な理由でロスが発生しますので、ロス発生理由やロス発生多発場所などを理解して対策することも経費削減になります。

総購入量-(マイナス)現場投入量・・・保管中に劣化したことによる破棄(劣化した原因にもよりますが保管期間の短縮化などの対策が必要)

現場投入量-現場使用量・・・使用準備中に不注意による使用不可になるなど(マニュアルなどを整備して使用不可にさせない工夫が必要)

現場使用料-良品使用量・・・使用時のやり直しなどによるロス(医療技術の向上、マニュアルの整備が必要)

良品使用量-標準使用量・・・標準(スタンダード)よりも多く使用してしまったためによるロス(クリニカルパスなどによる使用量の明記が必要)

標準使用量-理想使用量・・・過剰な仕様により理想的な使用量よりも多く使用しまったためによるロス

現場のどこで、何が、どんな理由で、どれくらいロスしているかの現状把握ができたら、材料費の削減対策の半分は終わったのと同じです。
今までの経験上、適切な手法で真剣に取り組めば規模の大小に関わらず、10%から20%程度は削減できます。通常、規模が大きければ購入金額も高額になりますから、削減効果は規模が大きい病院のほうが高額ということになります。
また努力によって費用が削減したら、それで終わりではありません。何もしなければ、時間の経過と共に、徐々に元に戻ってしまいます。
維持をしていくことも重要です。その対策としては、予算管理をお勧めします。部署別や品目別などありますが、予算マネジメントも費用削減の重要な手法です。

皆さんは、どう思いますか?

次回は12月11日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社FMCA 代表取締役

藤井 昌弘

1984年に医療関連企業入社。院内の各種改善活動を指導。急性期医療機関出向、帰任後、厚生労働省担当主任研究員として厚生行政の政策分析に従事。2005年退職、株式会社FMCAを設立。原価計算の導入と活用、病院移転に伴うマネジメントも実施。
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