第14回 医療においてのアンケート調査活用

■はじめに
市場マーケティングや各種評価によく用いられる手法がアンケート調査です。
このアンケート調査を医療の場面でもさまざまな場面で活用されています。
しかしその手軽さゆえに、アンケートのいろいろな制約や注意点があるのはあまり知られてなく、誤った設問なども見かけます。
実はアンケート調査は、その設問の作り方によっては、アンケート実施者が持っていきたい方向に結果を誘導することもできるのです。

■アンケート調査の基本
はじめに、なぜアンケート調査を実施するのか?アンケート調査の結果をどのように活用、利用したいのかという目的を明確にすることが重要です。
この目的をはっきりさせないで、アンケート票を作成すると、設問に不備が出てしまったり、あれも聞いておきたかった。
このような結果になったが、この結果を解決する方法がない。
などアンケートを実施した意味が無くなってしまう可能性すらあります。

次に、仮説を立てることになります。具体的に示しましょう。
「最近、外来患者が減ってきている。病院が老朽化して古くなったことが原因だと思う。」
という仮説を立てたとします。この仮説が合っているのか?または別の理由があるのか?ということをアンケート調査で調べ、外来患者の減少を止め、増やしたいということがアンケート調査の目的となります。

ここまでできたら、実際にアンケート票の作成準備に入ります。
アンケート票作成者はあれもこれも聞きたいことが多く、非常に多くの設問を作成するかもしれませんが、あまり多い設問は、アンケート回答者がうんざりしてしまいます。
その結果、適当な回答が多くなり精度が低くなります。目安としては回答者が約5分以内にアンケートが終了する設問数が目途です。
そのために、あまり記述形式の設問を多くするのではなく、選択してもらう形式の設問を多用することも大事です。
実はこの後、集計作業が発生しますが、記述回答の集計は時間がかかりますので、この点からも選択設問の方がよいと考えます。

具体的に設問を作成するときの考え方を、先ほどの事例でみてみます。外来患者が減少した理由は建物が古くなったことが原因という仮説を立てました。
しかし、もしかしたら、別の原因かもしれません。そこで、他の考えられる原因もあわせて考えておきます。
仮説1として、建物が原因。仮説2として、病院に来るまでのアクセスが原因。仮説3として、病院職員とのコミュニケーションが原因とします。
仮説1である建物に関しての設問は、建物が古くなって患者が不便を感じていると思われる部分の設問を準備します。
例えば院内の照明についての設問や冷暖房についての設問などです。
仮設2としては、病院までの交通手段を聞いたり、駐車場の広さや出入りについての設問を用意します。
仮説3については、患者が病院へ来て、帰るまで患者と接するであろう職種の方を念頭に置いて設問を準備します。

■設問を策する際の注意点
設問を作成する際の注意事項を以下に記載しますので、参考にしてください。

1、ダブルバーレル設問:一つの設問の中に2つ以上の論点が含まれている。
例)今日のセミナーのテーマや内容の選択は適切だったと思いますか?(テーマと内容の二つのことを一つの設問で聞いてしまっています)

2、ステレオタイプ:設問に使用している言葉そのものにプラスやマイナスのイメージが固定されている
例)「補習授業」補習という言葉にマイナスイメージがありますので、「弱点克服の追加授業」などという言葉を使います

3、威光暗示効果:社会的権威のある人の意見や世論調査の結果、多くの人が支持しているとされる意見を設問中に示すこと

4、黙認傾向:賛成ですか?と聞かれると「はい」と答えてしまう人が多くなります。このような場合は、賛成ですか?反対ですか?というように対になる論点や言葉を併記します。

■医療においてのアンケート調査活用事例
最後に、実際に医療などの現場でどのようなアンケート調査が実施、活用されているかいくつか例を挙げます。
患者満足度調査、職員満足度調査(職員の中でも看護師だけに絞って看護師満足度調査を実施する場合もあります)、登録医満足度調査、(健診センター)利用者調査などもっとたくさんの活用の場面があると思いますが、皆さんは、どう思いますか?

FMCAでは、アンケート調査専用ソフト(ナーシア)を使い、アンケート調査を請けおうこともできます。
お気軽にお問い合わせください。

次回は2013年1月16日(水)の更新予定です。

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