第173回 医療DXと医療AI その14~生成AI、ビジネスメール~
前回のコラムでは、生成AIを生かすための「プロンプト」について述べました。今回から生成AIをどのように活用するのかを具体的に記述していきます。「生成AIは便利そうだ」と、誰でも思うところでしょう。しかし、いったいどこから手を付ければよいのでしょうか。今回はその第一歩となるメールについて説明します。
医療DXと医療AI その14~生成AI、ビジネスメール~
前回のコラムでは、生成AIを生かすための「プロンプト」について述べました。今回から生成AIをどのように活用するのかを具体的に記述していきます。「生成AIは便利そうだ」と、誰でも思うところでしょう。しかし、いったいどこから手を付ければよいのでしょうか。
生成AIの業務活用は、各部署の業務を分解することから始めます。そして、分解した業務の一つ一つに対し課題を洗い出し、その課題を生成AIで解決できないか考えます。その際に生成AIで解決可能で、かつその効率化インパクトが大きく、着手がしやすいものがあれば、それが最優先候補です。今回はその第一歩となるメールについて説明します。
ビジネスメール
病院内(社内)のさまざまな職種の方々も、日ごろからメールでやり取りをすることが多いと思います。このメールですが、意外に時間が取られることはありませんか。今までのメールのやり取りを確認し、「どのように伝えるのか」や「メールの文体トーン」、「誤字脱字のチェック」など、一つのメールを送信するのに何分も時間がかかることがあります。特に日ごろメールを使わない職種や、1日に多くのメールのやり取りを行う職種などで、メールでの失敗を起こしてしまうことが多いようです。
そこで、生成AIを使ってメールを効率よく活用する方法を記述します。最初に準備するのは「プロンプトの型」です。送るべきメールの内容にパターンがある場合は非常に効果的です。
メールプロンプト例
以下の条件でメールを作成してください。
#固定条件
- 文体トーン:丁寧だが、堅苦しくないような親しみやすい口調。です・ます調
- 冒頭の挨拶:お世話になっております。●●病院(株式会社)の○○です。
- 締めの言葉:今後も引き続きよろしくお願いいたします。
- 制約:300字以内
#可変部分
- 宛先や日付
- 伝えたい内容
- その他今回のメールの要件
- * 「#」:ここでは全角で記載していますが、生成AIで使用する際は半角で記載します。
メール前半は、固定条件です。固定部分とはいっても、相手が医師(社内や社外など)や会社など多様な相手となりますので、その相手によって多少の修正は必要です。後半は特に伝えたい内容を分かりやすく伝えることに気を付けて記述すれば、メールは簡単に作成されます。このようなメールプロンプトを準備しておくとメール作成時間が短縮可能です。
上記のメールプロンプトを基本にしておいて、状況に合わせて、プロンプトをカスタマイズ、アレンジすることで、多様なメール内容にも対応できます。注意点としては、院内(社内)で生成AIのルールの規定(個人情報の記載の有無など)がある場合は、もちろん規定を順守するようにします。特に個人情報の漏洩には十分に注意してください。医療機関で個人情報の漏洩が起これば、経営的に与える影響は非常に大きいものになります。また、生成AIはハルシネーション(もっともらしいうそ)を起こすことがありますので、メール宛先のチェックや文面の最終チェックは不可欠です。
Googleを活用している場合
Gmailを使用している場合は、Geminiがおすすめの生成AIです。GeminiはGoogleの生成AIですので、同じくGoogleのGmailとの相性が良く、メール内容を作成してくれるだけでなく、メール相手との今までのやり取り(過去の経緯を瞬時に把握)を理解したうえでメールの作成を行います。また、Geminiは、Google ドライブ(ドキュメント、スプレッドシートなど)やGoogle カレンダーと直接連携できますので、資料からメールを作成します。さらに自分のスケジュールを確認しながら日程調整の文面を作成します。
まずは病院内(社内)の周知メールや、気心の知れた相手への返信など、心理的ハードルの低いところから始めてみるのがおすすめです。
皆さんはどう思いますか?
次回は6月10日(水)更新予定です。