第108回 活性化した職場を作る方法

職場を活性化させるには、その部署の責任者の役割が重要です。特に職場の雰囲気や風土作りにおいて、いったん染みついた雰囲気や風土を変えようとするときは本当に大変です。今回は、現在の職場の現状をチェックし、生き生きとした職場にするために必要な要素などを紹介したいと思います。

活性化した職場を作る方法

医療現場は決して人数が潤沢にいるわけではありません。むしろ少数精鋭です。それぞれの専門性を発揮して、日々、患者のために働いています。医療の現場は生命を左右するような現場でもありますので緊張感に包まれ、やりがいに満ちた職場かといいますと、残念ながらそうでない職場も多いようです。特に医療の現場に限ることではありませんが、常に生き生きと活力に満ち溢(あふ)れている職員たちがいる職場は、人数の多少に関わらず目標の達成に近い強固な組織といえます。

今回のコラムでは、現在の職場の現状をチェックし、生き生きとした職場にするために必要な要素などを紹介したいと思います。

皆さんの現場の現状はどうでしょうか。まずは、自分の職場の状況を下記の10項目でチェックしてみてください。

職場の現状チェック

  1. 職場の目標が設定されていない。あるいは設定されていてもあいまいな目標設定である
  2. 職場内に派閥(仲良しグループも含む)がある
  3. 部署間(内)のセクショナリズムを感じる
  4. 指揮命令系統が守られていない(直属の上司を飛び越えて仕事の指示がくるなど)
  5. 上下関係に関係なく意見を言い合える
  6. 職場内で助け合える雰囲気がない
  7. 陰口や人の悪口を聞くことがある
  8. 前例がないことにチャレンジしない
  9. 職場に気軽に相談できる人がいない
  10. 周りにやる気がない人がいる

幾つの項目が該当したでしょうか。これらの10項目のうち、一つでも該当しているのであれば、気を付けなければいけない職場、活性化されていない職場であると認識したほうがよいと考えます。

特に医療機関は、医師をはじめさまざまな有資格者の集まりですから、セクショナリズムが他業界より高いということは多くの方が指摘しています。さらに女性の多い職場でもありますので、もしかしたら何らかの原因となっている可能性もあります。

職場の活性化に必要な要素を三つに分けて考えてみます。

職場活性化の第1の要素は、やはり職員個人の能力、素養です。特に能力は経験とともに向上していきますので、向上した能力に合った仕事、業務内容であることが重要です。職員個人の能力よりも低い業務内容ですと、意欲が湧きませんし、逆に能力よりも高い業務内容ですと、職員は仕事を取り組む前に諦めてしまったり、無力感に襲われたりして、これもまた意欲が湧きません。上司は常に部下の成長に気を配り、注意深く観察し、部下の能力の少し上位の難易度の仕事に取り組ませるようにすべきです。

第2の要素は、職場の環境整備、仕組み作りです。たとえ職員個人の能力に合った業務に取り組むことができても、意思決定、相談体制、協力体制などを整備しておきませんと、職員の努力が成果に結びつきません。職場環境を整えることが重要です。

最後の要素は、良い職場風土作りですが、この要素の構築が最も難しく、時間を要します。気軽に相談できない、自由に発言できない雰囲気、失敗を激しく叱責(しっせき)されるなどの職場では、誰も積極的に仕事に取り組もうとはしなくなります。第2の要素に近いですが、職場の雰囲気作りが最初に取り組む事項です。

このように職場を活性化させる要素を3点確認しましたが、いずれも所属長、上司が重要なファクターであることが分かります。職場を活性化させるのは、上司の役目であります。

活性化した職場作りの注意点(上司の視点から)

(1)職員の能力と仕事の難易度編

  • 職員が担当している業務難易度と仕事の質は、職員の能力に合っているか常にチェックする(職員の成長を見誤らないように注意)。上司からの視点と職員本人の考えが違う場合もあるので注意
  • 職員の受け持っている仕事量は適切か見極める(結果的に仕事をこなせたから、仕事量は適切というわけではないことに注意)
  • 大きなストレスを抱えていたり、実際に健康に支障が出ていたりする職員はいないかどうか確認する(ストレスチェックの実施時期に積極的に声掛けするのもよい)
  • 職員(部下)に自分の成長に気付かせる(個人面談などを実施し、成長を具体的に指摘することが重要)
  • 高い能力がある職員が、未熟な職員に指導するように仕向ける(話しかけやすい雰囲気作りと、高い能力がある職員への指導)

(2)職場の環境作り

  • 職場の目標を明確にする(その目標は全体目標からブレークダウンした部署ごとの目標であることが望ましく、みんなの目に触れるように部署内に常に掲示しておくことが重要)
  • 朝礼などを実施し、必要な情報は十分に伝わるように配慮する(フレックス勤務や休みの人へは、通達内容を一定期間掲示するなどの配慮も必要)
  • 各職員への仕事内容と仕事量について、他職員が納得できるように説明をする(説明がないと臆測や、やっかみなどで職場が混乱する可能性がある)
  • 業務を進めるうえでのルールを守ることと、そのルールに問題があるときはすぐに見直す柔軟性を持つ(「以前はこうだった」という発想は危険と心得る)。また特に長年勤務している職員が、マイルールを勝手に作っている場合があるので、この点にも注意をする
  • 職員間の対立意見があったときは、うやむやにしない(時間の経過とともに対立は激しくなる一方)

(3)職場の雰囲気作り

  • 職員の発言を最後まで聞く(絶対に相手の話の途中で遮らない。遮ったら、次は話さなくなる)
  • 職員(部下)とは、公明正大に接する(自分自身は公明正大に接しているつもりでも、周りが誤解するような言動も控える)
  • 職員とは、公私混同しない
  • 話しかけられたら、いったん自分の業務を止め、相手の顔を見て話を聞く

職場を活性化させるには、その部署の責任者の役割が重要です。特に職場の雰囲気や風土作りにおいて、いったん染みついた雰囲気や風土を変えようとするときは本当に大変です。しかし、良い職場の雰囲気や風土ができてしまうとその風土は、引き継がれるものでもあり、医療機関の貴重な財産にもなりうるものです。
活性化した職場作りには、上司の役割が重要ですが、活性化した職場の上司は「楽」なこともまた事実です。

皆さんは、どう思いますか?

次回は1月13日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社FMCA 代表取締役

藤井 昌弘

1984年に医療関連企業入社。院内の各種改善活動を指導。急性期医療機関出向、帰任後、厚生労働省担当主任研究員として厚生行政の政策分析に従事。2005年退職、株式会社FMCAを設立。原価計算の導入と活用、病院移転に伴うマネジメントも実施。
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