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ApaRevo 活用コラム
外部システム連携について
企業で利用するシステムは一つではありません。販売購買管理、会計システム、給与システム、POS、倉庫システム、ECサイト、輸入システム……など、アパレル業に限ったことではありませんが、複数のメーカーのシステムを利用することは珍しいことではありません。
外部システム連携について
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
アパレル/ライフデザインSPソリューション課
佐伯 学
企業で利用するシステムは一つではありません。販売購買管理、会計システム、給与システム、POS、倉庫システム、ECサイト、輸入システム……など、アパレル業に限ったことではありませんが、複数のメーカーのシステムを利用することは珍しいことではありません。複数のシステムを利用するということは、マスターデータや取引データをそれぞれのシステムで持つことになり、それらを連携させたいという要望が生まれることは自然な成り行きだと思います。「SMILE」シリーズのように、同じメーカーのシステム間であれば連携はしやすいですが、他社システムとの連携が必要となるケースも少なくありません。
外部システム連携をするうえで、新規登録データの連携はそれほど問題となることはありません。多くの場合に課題となることは、修正・削除の連携をどこまで許容するか? だと思います。単体のシステムであっても修正・削除ができる条件というものは存在します。例えば販売管理システムであれば、請求締日更新を行ったら伝票の修正・削除はできなくなるのが一般的かと思います。外部システム連携においてはシステム自体が異なるため、修正・削除の条件はさらに厳しくなります。修正・削除データを連携する場合は、連携先のシステムの状況によって受け付けられるかどうかが決まります。連携先のシステムで処理が進んでしまっている場合は、送信データがエラーとなって受け付けられないかもしれません。連携先のシステムの処理状況が確認でき、修正・削除の制御ができることが理想ですが、他社システムのデータベースにアクセスすることはできないことが多いため、実現することは困難です。かといって、「修正・削除は一切できません!」というシステムでは、データを登録することを躊躇(ちゅうちょ)してしまいますよね。外部システム連携ではガチガチに制限を設けてしまうよりも、ある程度の緩い部分が必要だと個人的には考えています。「ここまでは無条件に修正可能、ここを超えたら双方のシステムで修正してください!」くらいの方が、一見手間がかかりそうに見えますがトラブルは少ないです。
また、問題が発生した場合に、どちらのシステム側で対応すべき問題なのか、どこに問い合わせをすべき内容なのかをお客様が判断できるような仕組みとすることも重要です。問い合わせをしても「この内容は他社システム側に聞いてください」と言われてしまったら、お客様も余計な時間を使ってしまうことになってしまいます。
今後も外部システム連携のご要望は増えていくと思います。連携の方法も作り方次第でさまざまなパターンがあると思いますが、スムーズに連携を行えるシステムを目指してこれからも試行錯誤を続けていきたいと思います。
使いやすいシステムとは
システム構築に携わる者として、「使いやすいシステム」を構築することを目標に日々の業務を行っています。それでは「使いやすいシステム」とはどのようなシステムのことを指すのでしょうか。機能が豊富なシステム、操作性が優れたシステム、ヘルプが充実したシステム……世の中にはさまざまなシステムが存在しています。
人によって当然意見は異なると思いますが、私が考える「使いやすいシステム」とは「シンプルで分かりやすいシステム」です。多機能であることはメリットとなりますが、多機能であることで分かりづらくミスをしやすくなってしまうようでは本末転倒です。システムを使用するのは一人ではありません。人事異動により、システムを利用される担当者が変わることもあります。システムを保守する担当者が変わることもあります。分かりやすい、ミスをしにくいということは、誰が使用しても同じように使えることにもつながります。画面の項目配置、カーソルの移動、メッセージの表現等、実際に使う人の気持ちになって、どのように作れば「シンプルで分かりやすいシステム」となるかを日々追及していきたいと思います。
[SE]2016年 5月17日