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ApaRevo 活用コラム
「フリマアプリ」について
一般消費者間で商取引を行う、いわゆる「C2C市場」が活性化しています。これまでもオークションサイトで物の売買は活発に行われていましたが、「フリマアプリ」の登場により一気に利用者が拡大し、若い世代を中心に取引が増大しています。
「フリマアプリ」について
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
アパレル/ライフデザインSPソリューション課
土橋 道晴
一般消費者間で商取引を行う、いわゆる「C2C市場」が活性化しています。これまでもオークションサイトで物の売買は活発に行われていましたが、「フリマアプリ」の登場により一気に利用者が拡大し、若い世代を中心に取引が増大しています。
この急拡大の要因としては、スマートフォンの普及と節約志向の高まりがあるといわれていますが、第三者が介在することで、取引の安全・安心が保障されたことが最大の要因と思われます。
この「フリマアプリ」の登場により、最も影響を受けているといわれているのが、「リユース業界」です。やや耳慣れない言葉ですが、中古品の買い取りや販売をしている企業、昔からある質屋のような業態も含まれます。デフレ環境で勝ち組のようにいわれてきましたが、「フリマアプリ」の登場により、前年割れの不振に陥っています。
売り手と買い手がネット上の取引に流れてしまい、売り上げの源泉となる商材が確保できないという状況であり、重大な危機的状況といっても過言ではありません。「フリマアプリ」を使ったら、大手リユース企業の見積りの倍であっという間に売れた、という話も耳に入ります。
さて「アパレル/ライフデザイン業界」にとっても、影響は小さくないと思われます。そもそも、売買される商品カテゴリーの上位に「衣類」など関連商品の多くが含まれています。また若い世代は「中古品の購入に抵抗がない」といわれており、中古品を売買しながら、安価に自分の好みの衣類や商品を手に入れるライフスタイルを築いているように思います。
「フリマアプリ」は、取引に手数料がかかるのが一般的ですが、消費税が不要なメリットがあり、影響は軽微といえます。このため「アパレル/ライフデザイン業界」は、これまでの企業間の競争に加え、中古品との競争を余儀なくされるのではないか、と私は考えています。
そういえば「クリスマス」や「バレンタインデー」の直後に、プレゼントとおぼしき商品が「フリマアプリ」にたくさん出品されており、「フリマアプリの闇」などとネットで書かれていました。さまざまな憶測が飛び交っており、その時はなんとなくおかしさを感じましたが、本当は笑い事ではないのかもしれません。
[SE]2018年 9月18日