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ApaRevo 活用コラム
パッケージシステムの導入におけるユーザー企業側の作業について
パッケージシステムを利用してシステム導入を行うことは、費用や信頼性の面でのメリットが大きいと思います。しかし、導入に当たってはユーザー企業の作業負担も相応にあります。今回は、一般的にユーザー企業の負担が大きいといわれる作業内容をご紹介します。
パッケージシステムの導入におけるユーザー企業側の作業について
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
ASCアパレル・旅行SPソリューション課
森 浩和
パッケージシステムを利用してシステム導入を行うことは、費用や信頼性の面でのメリットが大きいと思います。しかし、導入に当たってはユーザー企業の作業負担も相応にあります。今回は、一般的にユーザー企業の負担が大きいといわれる作業内容をご紹介します。
パッケージシステムをカスタマイズ開発なしに、標準機能のまま導入する導入プロセスは、おおむね以下のとおりの段取りとなります。
1.最適なパッケージとITベンダーを選定します
(1)要件概要を整理します
(2)要件概要に適合できそうなパッケージシステムを調査します
(3)調査結果を踏まえて要件を固めます
(4)候補となるパッケージを提供するITベンダーに提案依頼、見積り依頼を行います
(5)ITベンダーからの提案、見積を評価します
(6)パッケージを選定し、発注します
2.要件や業務特性を踏まえたシステム設定を行います
3.テスト用マスターデータを登録します
4.受け入れテストを行います
5.本番用マスターデータの作成を行います
6.データ移行を行い、本番運用を開始します
データ移行は必要に応じて複数回にわたり行います。
システム導入に関わる作業をできるだけITベンダーに依頼したとしても、どうしてもユーザー企業自身でやらなければならないことがあります。ここでは、その中でも負担の大きな作業についてご説明します。
(a)マスターデータ作成
マスターデータはシステムが動作するために必要となる、あらかじめデータベースに入れておくべきデータです。例えば、得意先、仕入れ先、商品、部門などです。
新システムを導入する場合のマスター作成作業には、既存システムにはなかったデータを新たに作る作業と、既存のマスターデータに何らかの追加、変更や変換をする作業があります。同じ得意先マスターでも旧システムと新システムでは、桁数やコード体系、項目などが異なる場合があるからです。
(b)データ移行作業
既存システムにあるデータ、今はExcelで管理しているデータなど、さまざまな状態のデータを新システムのデータベースに入れる作業で、一般的には以下の作業形態に大別されます。
- 移行用データ変換プログラムを作成して新システム用フォーマットに変換し、新システムの取り込み機能で取り込みます
- 既存システムのデータをExcelなど用いて新システム用フォーマットに手作業で変換し、新システムの取り込み機能で取り込みます
- 新システムのマスター入力画面を操作して入力します
(c)テスト
基本的には、現行でできていることができること、さらに新システム導入の効果となる新たな機能、性能の確認を行います。
以上がユーザー企業の負担が大きな主な作業であり、あらかじめ十分に認識したうえで作業計画や人員計画を策定していただきたいと思います。
[SE]2021年8月10日