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百貨店の歴史について
今回は、百貨店の歴史についてご紹介します。
百貨店の歴史について
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
ASCアパレル・旅行SPソリューション課
土橋 道晴
店舗の閉店や売り上げ減少などのニュースが続き、元気がないといわれて久しい百貨店業界ですが、アパレル業とは切っても切れない関係にあります。
今回は、この百貨店の歴史について調べてみました。
世界初の百貨店はフランスのパリにあるボン・マルシェ百貨店といわれています。この百貨店は1852年に織物類を扱う店舗から発展しました。多くの商品を手の届く範囲に並べるという陳列方法を採っていました。現在では百貨店に限らず当たり前ですが、当時は画期的だったようで、理性がまひするように設計されている、などといわれたそうです。
それ以外の百貨店としては、プランタンが1865年に登場、ニューヨークのメイシーズが1851年に創業し、1858年に店舗を構えています。これは産業革命により、大量生産が可能になったこと、都市部に人口が集中したこと、成功した資本家などの富裕層が登場したことが原因と言われています。歴史で習った産業革命が、百貨店の誕生と深い関わりがあったのです。
わが国では、三越(三井呉服店)が1904年にアメリカのデパートメント・ストアを実現して行くという、文章を新聞各社に掲載しており、これが日本の百貨店の始まりといわれています(デパートメント・ストア宣言)。国内でも100年以上の歴史があるのです。それまでの呉服店の販売は座売という方法で、店員が客の要望に応じて、店の奥から商品を少しずつ持ってきて見せる方式でした。これが近代化され、陳列方式に変わりました。
その後、大衆化により百貨店は顧客層を拡大させます。イベントや娯楽施設にも力を入れるようになり、百貨店は一般の人が訪れる行楽地になりました。今はほとんど見ることができない、屋上の遊園地などが作られたのもこの頃です。買い物で疲れた後は、レストランでお子さまランチを食べ、屋上の遊園地で遊ぶ、そんな日曜日がありましたね。
昨今は自動車での来店が前提となっている郊外型のスーパーなども、イベントや娯楽施設が充実しおり、行楽地のようになっています。百貨店独自の強みを生かせるような状況ではなく、苦戦もやむを得ないように思います。しかし、歴史があり文化をリードしてきた百貨店には、ぜひともがんばってほしいと思います。
参考:
* 【百貨店が危機に瀕する今こそ知りたい】百貨店の歴史:歴人マガジン、近藤智子著
[SE]2023年7月11日