ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
プロジェクト型ビジネスの原価管理
案件を一つのプロジェクトとして管理するプロジェクト型ビジネスにおいて、プロジェクトごとの進捗(しんちょく)状況や収支をリアルタイムに把握し、スピーディーかつ的確な経営判断を行うことは非常に重要です。プロジェクト型ビジネスに対応した原価管理システムを活用することで進捗状況と収支を「見える化」し、収益向上が目指せます。
目次
プロジェクト型ビジネスとは
プロジェクト型ビジネスとは、案件や契約、オーダーごとにプロジェクト単位で収支管理を行うビジネスです。完成までに長い工期を要するような業態に多く取り入れられています。プロジェクトごとに売上、仕入、工数などの収支管理をし、プロジェクト全体として採算状況、進捗状況を管理します。プロジェクト型ビジネスを行っている業種としては、広告・コンテンツ制作、ソフトウェア・ITサービス、コンサルティングサービスなどがあります。
プロジェクト型ビジネスをしている業種
広告・コンテンツ制作 | ソフトウェア・ITサービス | コンサルティングサービス | その他サービス |
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広告代理 | システム受託 | コンサルティング | イベント |
広告企画・制作 | ソフトウェア開発 | 税理士法人 | リサーチ |
セールスプロモーション | SaaS・ASPサービス | 監査法人 | BPO・アウトソーシング |
Web制作 | ソーシャルゲーム開発 | 会計事務所 | 保守運用サービス |
Webマーケティング | スマホアプリ開発 | 法律事務所 | 結婚式場 |
映像・番組制作 | ITコンサルティング | その他研究・調査サービス | |
アニメ制作 | ITインフラ構築・保守 | ||
PR・広報 |
プロジェクト型ビジネスにおける原価管理の課題
プロジェクト型ビジネスの特性
工程の長いプロジェクトでは、プロジェクトが進行すればするほど各種取引情報、実績情報の管理が煩雑になります。そのため、半年後、一年後までの採算の見込みが立てづらく、プロジェクト全体の予実管理、採算を把握することが難しくなります。さらに複数のプロジェクトが並行して進行することが多く、数が多ければプロジェクト単位での管理も煩雑になってきます。
また、業務や部署ごとに管理システムがバラバラで、システム間のデータ連携がリアルタイムでないといった場合、集約、集計に時間がかかってしまいます。プロジェクト型ビジネスは一元管理し、全体把握しなければ適切な原価管理は難しくなります。
プロジェクト型の原価管理は複雑
管理の煩雑さに加え、支出においてあいまいな部分が多いプロジェクト型ビジネスでは、原価が分かりにくいという課題もあります。労務費、外注費、経費といった直接費のほかに、オフィスの賃料や水道光熱費、総務など直接は関わらない人件費などの間接費も考慮しなければなりません。
課題を解決するソフトウェアの選び方
原価管理は、企業の利益に直結する重要な業務です。しかし、今も多くの企業でExcelを使った原価管理表などで管理しているのが現状です。原価管理を備えたシステムを導入することで、利益を確保できる原価管理が可能になります。
ProjectDirector | SMILE 販売 原価集計オプション | SMILE 会計 プロジェクト原価オプション | ZAC | |
---|---|---|---|---|
主な特徴 | サービス業向け収支管理システム。 広告業をはじめさまざまなサービス業にフィット。 | 「SMILE 販売」システムに案件別の原価管理モジュールをアドオンしたシステム。 | 「SMILE 会計」システムに原価管理オプションを追加した会計ベースのプロジェクト原価管理システム。 | 労務費中心のサービス業向け販売プロジェクト管理システム。勤怠管理、経費承認管理、厳選支払、工程管理搭載。 |
システム環境 | リッチクライアント型 | リッチクライアント型 | リッチクライアント型 | Web対応型 |
基本業務 | 販売管理ベース | 販売管理ベース | 会計ベース | 販売原価ベース |
プロジェクト型ビジネスに特化した原価管理ソフトウェアをご紹介
「原価・仕入れ・売上業務などが、別々のシステムやExcelで稼働していますので、重複入力が多く、一元管理できていない」「材料費や労務費など、要素ごとの実行予算を管理したい」「進行中の案件でも現時点の予算に対する収支を知りたい」「原価をさまざまな切り口から確認・分析したい」といった課題はありませんか。大塚商会ではこれまで数多くの企業に各種システムやソフトウェアを提供してきました。原価管理システムの導入に関して、管理したい業務に合わせたシステム選定が重要です。導入実績・ノウハウを生かし、お客様に最適なシステム・ソフトウェアをご提案します。
案件の見込み状態から受注後の手配、進捗、計上まで、業務プロセスをトータルにカバーします。プロジェクト収支を見える化し、スピーディーかつ的確な経営判断に貢献します。
プロジェクトごとの売上とさまざまな種別の原価を一元管理し、損益をタイムリーに可視化。また受注前・実行中のプロジェクトの売上・利益見込も管理できるため、精度良く未来の経営数値を予測できます。リアルタイムなプロジェクト別の損益、全社の経営数値を把握することで、迅速な経営判断を支援します。
売掛・買掛・在庫などの販売管理の機能に加え、プロジェクト単位での収支把握、予算管理が可能です。原価集計別・得意先別・仕入先別・部門別・要素別など、ニーズに合わせて集計表が作成できます。
仕訳情報をもとに会計帳票やプロジェクト単位の原価管理帳票を作成できます。システム開発の案件管理や不動産業での物件別管理など、さまざまな業態で原価管理を実現します。
原価管理関連導入事例
原価管理系のシステムを実際に導入している業種
- 広告・コンテンツ制作
- 広告代理、広告企画・制作、セールスプロモーション、Web制作、Webマーケティング、映像・番組制作、アニメ制作、PR・広報
- ソフトウェア・ITサービス
- システム受託、ソフトウェア開発、SaaS・ASPサービス、ソーシャルゲーム開発、スマートフォンアプリ開発、ITコンサルティング、ITインフラ構築・保守
- コンサルティングサービス
- コンサルティング、税理士法人、監査法人、会計事務所、法律事務所、その他研究・調査サービス
- その他サービス
- イベント、リサーチ、BPO・アウトソーシング、保守運用サービス、結婚式場
さまざまな業種・業態の企業が導入
ソフトウェア・IT、広告・コンテンツ制作をはじめ、コンサルティングや税理士法人、監査法人、イベントやリサーチなどその他サービスといった案件、契約、プロジェクト単位で業務が進行し、プロジェクト別の収支管理が必要なさまざまな業種・業態の企業に導入いただいています。
導入事例:「Project Director」で収支管理業務を効率化
製品導入前の課題
プロジェクトの進捗・収支管理において、独自のシステムとExcelで業務を管理していたため、データ連携ができず多重入力によるムダとミスが発生。案件の進捗は担当者だけが把握している状態。
システム刷新で解決
データ一元管理による効率化や会社業績の可視化を図る
軽減税率制度や新元号など、法改正にも迅速に対応するサポート体制も決め手の一つとなり、「SMILE 会計」と「Project Director」を導入。プロジェクトで発生した情報は、各業務にデータ連携できたことで月末に集中していた入力作業が解消されたうえに、請求漏れや訂正伝票の削減も実現。さらに案件ごとの正確な進捗状況・業績の可視化できる環境も整いました。
課題を解決したシステム
プロジェクト収支管理システム Project Director