「働き方は、“量”から“質”に大きく変化しています」と話すのは、長年、就労管理システムを提供してきた勤次郎株式会社の宮田英典氏です。長時間労働による過労死や、サービス残業などが社会問題となり「働き方改革」が求められる中、コロナ禍でのテレワークの普及によるシフト多様化やストレス問題などを背景に、 勤怠管理や健康管理のシステム化もかつてないほどに進んでいます。
また中小規模の企業では、表計算ソフトでの勤怠管理にとどまるケースも散見されるものの、経営者の意識は格段に変わってきているといいます。今後、深刻な人材不足が想定される状況で、「従業員が働きやすい環境を整えられなければ、企業競争力の低下につながりかねない」と危機感が広がっているからです。
システム化の背景として宮田氏が指摘するのは、改正法への対応が目前に迫っていて、避けられない点。働き方改革関連法で、残業時間の上限規定規制が猶予されていた医師や運送業、建設業でも2024年には適用が開始されます。
「きちんと運用できることから逆算すると、まさに今が勤怠管理システム導入のタイミングでしょう。2024年には、電子帳簿保存法改正によりペーパーレス経営も求められます。2年間の猶予があるとはいえ、企業規模問わずあらゆる場面でシステム導入、デジタル活用が急速に進むと考えられます」と宮田氏は強調しました。
そのうえで、勤怠・労務管理システム市場で顕著になってきているのが、大規模なクラウドシフトだと宮田氏は説明します。事実、同社のソリューションもクラウドでの提供が全体の約9割を占め、オンプレミスは1割程にとどまる状況です。
IT担当の専任者を置けない規模が小さな企業では、管理・運用負担を軽減するためにクラウドによるシステム導入が最適でしょう。「これまでオンプレミスでシステム構築を行ってきた大手企業でもIT人材の不足は顕著であり、OSやミドルウエアなどのバージョンアップにかかるコストやメンテナンス費用を考えると、最新環境をクラウドで整えようという動きが急拡大しています」(宮田氏)。




