第144回 「好ましいオフィス環境」に対する感じ方の違いという話

コロナ禍をきっかけに進んだテレワークから、最近は出社勤務に戻す動きがあります。そこでは今まで以上にオフィス環境が重要になりますが、好ましい環境の内容は意外に人によって感じ方の違いがあるようです。

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「好ましいオフィス環境」に対する感じ方の違いという話

コロナ禍をきっかけに在宅勤務やテレワークといった働き方の導入が一気に進みました。最近では従来の出社勤務に戻す傾向はありますが、一定の比率で出社とテレワークとを両立させる企業も多いようです。

出社回帰が進む中、オフィス環境に求められること

テレワークを縮小・廃止するような企業が必ずしも古い価値観で固まったようなところばかりというわけではなく、わりと先進的な業界であったり、若い社員が多いような企業であったりすることもあります。仕事をするうえで「直接顔を合わせること」「場を共有すること」が重要で、それがあってこそ新しいアイデアや製品、サービスが生まれてくると考えているような企業です。

そういう企業は社員が集まる場としてのオフィス環境を重視していて、いかに仕事がしやすく居心地が良い環境を提供できるかということを意識しています。
私も先進的といわれる企業のオフィスを見せていただいたことがありますが、集中とリラックスのメリハリ、個人作業とグループ作業それぞれに応じた作業環境、ミーティングのテーマに応じた雰囲気づくりなど、さまざまなシチュエーションを意識した場所や機能が用意されており、多少遠くてもわざわざ行く価値があると思えるものでした。

男女で異なるオフィス環境の好み

そんなオフィス環境に関する話で、少し前にシェアオフィスの運営会社の方からうかがったお話の中にとても興味深いものがありました。

シェアオフィスとは、起業したての企業や個人事業主、小規模法人など、複数の会社がスペースを共有するような形態のオフィスをいいます。話を聞いた会社は、主に女性経営者や女性事業主を中心としたオフィスを運営していて、最近は男性を対象にしたオフィスにも取り組み始めているそうです。お話の中で「シェアオフィスに対する要望で何か男女差があるのか?」という質問があり、その視点は実は大きく違っているという回答でした。

まず男性の場合は、一人一人の区切られたスペースを好み、机やイスなどの備品、インターネット環境、その他作業するうえでの使いやすさや機能性を望む傾向が強いそうです。あまり面識がないような人と場を共有することもあるシェアオフィスですが、できれば知らない人とはあまり接しないで済み、自分だけの仕事に集中できるようなパーソナルなオフィス環境を望む人が多いそうです。

これに対して女性の場合、一人きりにならない、みんなで話しやすい雰囲気を望まれることが多いそうです。コワーキングスペースのような共働空間を好み、机やイスもそのように配置されていて、周囲とのコミュニケーションが取りやすいかどうかが重視されるそうです。男性の場合とは逆で、「仕切られていて話ができないようなオフィスは嫌だ」という人が多いそうです。
私自身は男性の感覚の方が理解しやすく、女性の感覚には「そう思うんだ」という感想でしたが、きっと私と反対の感じ方をする人も特に女性では多いのでしょう。

そもそも「男性が」「女性が」というステレオタイプで言うこと自体がナンセンスかもしれませんが、私が思ったのは、シェアオフィスに限らず世の中のオフィス環境は、どちらかというとこの男性的とされる感覚で整えられているケースが多いのではないかということです。

さまざまな視点で目指す快適なオフィス環境づくり

最新はオフィスでのコミュニケーションを活発にする目的で、できるだけパーティションを減らしてオープンな環境にしたり、ミーティングができるスペースを細かくいろいろな場所に設置したり、整ったリフレッシュスペースがあったりするなど、さまざまな視点でオフィス環境の整備に取り組んでいる企業をよく目にします。
目指すところは、女性の感覚に似た「コミュニケーションしやすい環境」のように思いますが、これは「話せないようなオフィスは嫌だ」というより、「コミュニケーションを取らなければならない」という義務感のようなところから始まっている感じがします。

本音では「取り立てて話さずに済むならそれで良い」と思っているが、「それでは仕事上好ましくない」と無理して引き戻しているような感じです。

男性・女性という差だけでなく、「快適なオフィス」「働きやすいオフィス」に対する感じ方は、その人その人によって意外に違うように思います。その一方、多くの人が快適、働きやすいと感じる共通的な要件もあるでしょう。さらに会社として「こんな働き方をしてほしい」など、社員に求める姿もあるはずです。

出社する頻度が高くなれば、その分だけオフィス環境に関する重要性も高まります。会社より自宅の作業環境が良いのにテレワークを縮小してしまうと、やはり社員は不満を募らせます。初めはあまり高望みせず、まずはできるところからオフィス環境づくりを進めていくことが必要だと思います。

次回は9月24日(火)の更新予定です。

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この記事の著者

ユニティ・サポート 代表

小笠原 隆夫

IT業界の企業人事出身の人事コンサルタント。 2007年に独立し、以降システム開発のSE経験と豊富な人事実務経験を背景に、社風や一体感など組織が持っているムードを的確に捉えることを得意とし、自律・自発・自責の切り口で、組織風土を見据えた人事制度作り、採用活動支援、人材育成、人事戦略作りやCHO(最高人事責任者)業務を専門的に支援するなど、人事や組織の課題解決、改善に向けたコンサルティングを様々な規模の企業に対して行っている。
上から目線のコンサルティングではなく、パートナー、サポーターとして、顧客と協働することを信条とする。
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