第29回 企業規模による違いを感じる「人を採用することへの責任感」のお話

私がいろいろな会社の経営者とお話をする中で、人の採用の話になることがよくあります。

会社の中核になり得る社員をどうやって採用していくか、経営者の立場で採用に対してどのように関わっていくべきかなど、皆さんが実際に直面している真剣なお話ばかりです。こういう話題になるのは、小規模の企業の経営者相手であることが多いですが、皆さんに共通しているのは、「自分が決断して雇う」「自分が責任を持たなければならない」という感覚です。

ですから、自社の社員については、組織体制や配置、人員計画といった会社全体のことだけでなく、社員個々の性格や特性といった細かな部分まで注目し、それなりに把握もしています。
もちろん目が届く程度の人数だからということもあるでしょうが、社員一人一人に対して、「自社の社員」という思い入れが強いのだと思います。どんな人を採用するか、そのためにどんな採用活動をするのかということへの興味、関心、責任感は、非常に高いと感じます。

このあたりの意識というのは、私は「企業規模によって徐々に変わっていく」ということを感じています。具体的にいえば、「組織規模が大きくなるほど、社員個人にはあまり注目しなくなっていく」ということです。

1,000人超の社員を抱える、ある会社の取締役とお話をしたときは、人の採用に関する話は、どんな職種の人材を何人採用するかというような、人員構成や人数の話ばかりでした。
社員一人一人と面識がないのは分かりますが、社員個人のキャリアや個別事情にはまったく興味がないという様子で、話の中では、“降格”“辞めさせる”“入れ替える”といった雇用調整や排除の論理に基づく話、社員の選別に類する話が、当たり前のような軽い調子で出てきます。
「人の採用」への興味はマクロ的なものだけで、社員個人の捉え方は、あくまで事業を進める上での駒として、ドライに割り切ってしまっているように見えました。
経営を考える上では正論かもしれませんが、私はあまり共感できませんでした。

その理由としては、やはり「経営者が持つべき社員への責任」が感じられなかったからです。また、ご自身は取締役という立場ですから、簡単に切り捨てられることはない、安全な場所に身を置いた上での発言と感じてしまったこともあります。

「社員採用」の捉え方は、企業規模が大きくなるにつれて、マクロ的にとらえる比率が増えてくると思います。この裏を返せば、社員一人一人のことには関知しなくなる比率が増えるということでもあります。

一方で、相当な大企業の経営者でも、「社員採用」の細かい部分にも興味を持ち、「人を採用することへの責任感」を強く意識されている方が大勢いらっしゃいます。
私が見ている中では、業績が良い企業ほど、経営者が社員一人一人のことにも注目していることが多いと感じます。細かく口出しするということではなく、「人を採用することへの責任感」を意識しているということです。

やはり、社員一人一人の顔を思い浮かべ、その人たちの人生に思いをはせることは、どんな会社であっても、一定部分では必要だと思います。「人を採用すること」に経営者の責任が大きいことは、企業規模を問わず、変わりがないことではないでしょうか。

次回は2月23日(火)の更新予定です。

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この記事の著者

ユニティ・サポート 代表

小笠原 隆夫

IT業界の企業人事出身の人事コンサルタント。 2007年に独立し、以降システム開発のSE経験と豊富な人事実務経験を背景に、社風や一体感など組織が持っているムードを的確に捉えることを得意とし、自律・自発・自責の切り口で、組織風土を見据えた人事制度作り、採用活動支援、人材育成、人事戦略作りやCHO(最高人事責任者)業務を専門的に支援するなど、人事や組織の課題解決、改善に向けたコンサルティングを様々な規模の企業に対して行っている。
上から目線のコンサルティングではなく、パートナー、サポーターとして、顧客と協働することを信条とする。
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