第111回 「予定外」から生まれる幸運や成功の話

「“幸運”や“成功”は予定外のことから生まれる」という話があり、私もこれを実感した経験がいくつもありますが、最近はコロナ禍の影響もあって、この「幸運な偶然」と出会う機会が減ってしまっている気がします。

「予定外」から生まれる幸運や成功の話

少し前に見たテレビ番組で話題にしていたことですが、ノーベル賞を取るような大きな発明・発見のほとんどは、予定外のことやラッキーから始まっていることが多く、自分の予定どおりにやったことからは大きな発見はあまり生まれていないそうです。また「予定外」から発見を見いだすには、それを見逃さないための感性が必要で、今までの既成概念を捨てて見直すことによって、発明を生んだり成功しやすくなったりするとのことでした。

“幸運”や“成功”は予定外のことから生まれる

私は独立して仕事をするようになってから、この「“幸運”や“成功”は予定外のことから生まれる」ということを強く感じるようになりました。
例えば、こんな業界の人と出会えば、こんな人が集まるコミュニティに参加すれば、仕事につながるのではないかと考え、それなりに計算して行動することがありましたが、そこから思いどおりの結果が得られたことはほとんどありません。
逆に全く思いもよらない人からの紹介や、何も意図していなかった偶然の出会い、たまたま受けた問い合わせなどをきっかけに仕事上のお付き合いが始まることが、実際の件数から見ても圧倒的に多いです。

そうなった理由を後から確認すると、必ずそれなりの経緯があり、その度に「なるほどそうだったのか」と思います。しかし、それを事前に予定・想定ができたかといえば、たぶん難しかったことばかりです。

そこで自分にできることは、できるだけ多くの場所へ出向き、多くの人たちと会って話し、多くの情報を発信するなどして、人との接点を増やすしかありません。確率や効率は多少考えますが、何か大きな変化をもたらすような出会いや出来事は、なかなか予定できるものではありません。

予定内の行動では想定内のことが起こる

企業の中で働いていると、「一日の生活の中で予定されていること」の比率が割と高いように思います。
もちろん業種や職種で差はありますが、少なくとも就業時間や休日は決まっており、給料もルールで決められた幅の中で一定しています。毎日同じ仕事を同じ顔ぶれの人たちと行い、場合によっては、行きも帰りも同じ時間の電車に乗って、昼食を食べる店も毎日同じなど、常に同じ流れの中で過ごしている人がいます。「予定外の中に幸運がある」と感じる機会は少ないかもしれません。

「“幸運”や“成功”は予定外のことから生まれる」ということを逆説的にとらえれば、「予定されていることを減らせば、幸運や成功に出会う確率が増える可能性がある」といえます。

毎日同じことを繰り返していると、身の回りではおおむね想定されることが起こり、それが安定していて無難だということはできます。ただ、“幸運”や“成功”は、「“いつもと違う良い出来事”が身の回りに起こること」です。それに出会うためには、あえていつもと違う予定外の行動をしてみることも必要でしょう。

リアルな対面に潜む「幸運な偶然」

最近、あらためて「セレンディピティ(Serendipity)」という言葉を耳にする機会がありました。「偶然の産物」「幸運な偶然を手に入れる力」などを意味する言葉ですが、ただの「偶然の運」ではなく、「偶然をきっかけに幸運をつかみ取る力」「幸福を引き寄せる力」とされています。

ここ最近のコロナ禍では、この「幸運な偶然」に出会う機会が減っている気がしています。
計画されたことを着実にこなす仕事であれば、テレワークは間違いなく効率的です。しかし、例えば営業活動などでは少し事情が変わり、対面営業に比べて、引き合いの数や成約率が明らかに下がったという話を聞いたことがあります。アポなしでの対面や立ち話のような非公式な雑談などの偶然は、リアルでなければ遭遇することが難しく、そんな中に営業的な話が潜んでいることが多々あるからのようです。

オンライン上でも既にさまざまな出会いの場はあり、将来的にはさらに進化したテクノロジーが現れるでしょうが、それでも人間同士が直接対面で出会うことの必要性は当面なくならないでしょう。予定外の偶然な出会いが“幸運”や“成功”を生むかもしれないと考えると、リアルな出会いもまだまだ大切と感じます。

次回は12月27日(火)の更新予定です。

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この記事の著者

ユニティ・サポート 代表

小笠原 隆夫

IT業界の企業人事出身の人事コンサルタント。 2007年に独立し、以降システム開発のSE経験と豊富な人事実務経験を背景に、社風や一体感など組織が持っているムードを的確に捉えることを得意とし、自律・自発・自責の切り口で、組織風土を見据えた人事制度作り、採用活動支援、人材育成、人事戦略作りやCHO(最高人事責任者)業務を専門的に支援するなど、人事や組織の課題解決、改善に向けたコンサルティングを様々な規模の企業に対して行っている。
上から目線のコンサルティングではなく、パートナー、サポーターとして、顧客と協働することを信条とする。
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