第47回 「働き方改革関連法」がついに成立! 罰則付きの“残業時間の上限規制”とは?

2018年6月29日、「働き方改革関連法」が賛成多数で可決、成立しました。残業時間の罰則付き上限規制が初めて設けられる一方、反対の声が根強かった「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が創設されます。今回は、働き方改革関連法の決定事項の骨子と、企業の取り組みへの影響などについてお伝えします。

「働き方改革関連法」がついに成立! 罰則付きの“残業時間の上限規制”とは?

2018年6月29日、政府が今国会の最重要課題と位置付けた「働き方改革関連法」が賛成多数で可決、成立しました。残業時間の罰則付き上限規制が初めて設けられる一方、反対の声が根強かった「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が創設されます。

今回は、働き方改革関連法の決定事項の骨子と、企業の取り組みへの影響などについてお伝えします。

「働き方改革」はどう変わっていくのか

政府が“70年に及ぶ労働基準法の歴史的な大改革”として、今国会の最重要課題と位置付けていた「働き方改革関連法」。その主な内容はどのようなものなのでしょうか。

働き方改革関連法の概要

残業時間の上限規制

  • 残業は年720時間まで、単月で100時間未満に
  • 違反すると懲役や罰金
  • 労働基準監督署が指導する際、中小企業に配慮
    →大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月施行

同一労働・同一賃金

  • 基本給や手当で正社員と非正規の不合理な待遇差を解消
    →大企業は2020年4月、中小企業は21年4月

高度プロフェッショナル制度の導入

  • 年収1,075万円以上の一部専門職を労働時間規制から除外
  • 年104日以上の休日取得義務
  • 一度適用されても本人意思で離脱可能
    →2019年4月施行

最も注目すべきは「残業時間の上限規制」。これまでは、特別条項により上限設定を青天井にすることができました。しかし、施行後は長時間労働を是正するため、残業時間の規制を「原則月45時間、年360時間」と定めました。また、繁忙期に配慮し、上限は年間で計720時間、単月では100時間未満に規定。違反した企業には罰則(懲役や罰金)を科すことになりました。大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月からの適用となります。

一方、反対の声が根強かった「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が創設されることになりました。高プロとは、年収1,075万円以上のアナリストやコンサルタントなどの一部専門職を、労働時間の規制の対象から外すものです。残業代は支給せず、賃金は成果で決めます。無駄な残業を減らし、労働生産性の向上につなげる狙いがあります。施行は原則2019年4月ですが、制度の適用は企業の規模などにより時期が異なる項目もあります。

企業はどのように取り組むべきか

「残業時間の上限規制」による罰則の適用とならないためにも、企業としては業務を効率化し、労働時間を適正化することが急務になっています。例えば、帰るきっかけを作って早期帰宅を促したり(勤怠の最適化)、在宅勤務やモバイルワークを導入したり(テレワーク)、または定型業務ロボットに任せて自動化したりするなど(RPA)、さまざまな方法を駆使して「残業削減」に取り組む必要が生じることでしょう。

働き方改革の本質とは、福利厚生的な発想による労働環境の整備ではなく、それぞれの従業員が持てる能力を最大限に発揮できる環境を、企業が用意して成果を上げることです。

自社の取り組みを再確認する、一つのきっかけにしていただければと思います。

働き方改革には、多様な働き方の実現に加え生産性向上への取り組みが欠かせません。企業力向上にもつながるシステムに求められることを1ページで分かりやすく解説します。
働き方改革(ERPナビ)

次回は8月上旬の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 マーケティング本部

井川 雄二

1997年 大塚商会入社。主に複合機をお客様に提案する営業担当から始まり、現在はその経験を生かしてマーケティング本部として営業支援を行っている。ITにまつわる情報収集に長けており、全国各地のイベントでは年間数十回のセミナー講演を実施し、その情報を余すことなくお客様に伝えている。その講演内容がとてもわかりやすいと評判。

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