第32回 運送業のデジタル化策について~(16)ビジネスダッシュボードの作成

前回のコラムでは、運送業の毎日のルールに関係の深い「改善基準告示ルールの改正(予定)」についてのお話をしました。今回は、デジタル化策として必要な内容が全て記載されている「ダッシュボード」の作成についてお話ししたいと思います。

運送業のデジタル化策について~(16)ビジネスダッシュボードの作成

前回のコラムでは、運送業の毎日のルールにとても関係の深い「改善基準告示ルールの改正(予定)」についてのお話をしました。
社会のルール、つまり法律が変更になる場合、ほとんどの場合は既存のルールより内容が厳しくなります。そして法律の場合は、「社会通念上」「暗黙のルール」などの緩いルールではなく、罰則や行政処分が与えられるものですから、必ず守らなければいけません。「これは無理だ……」と感じられる内容も多く、共感できるのですが、運送業界全体が安全・安心になるためにも会社全体をルールに合わせにいきましょう。

今回のコラムは、運送業のデジタル化のお話に戻り、必要な内容が全て記載されている「ダッシュボード」の作成についてお話ししたいと思います。

ビジネスダッシュボードとは?

「ダッシュボード」、クルマのメーターまわりをイメージされる方が多いのではないでしょうか? そのとおりです。クルマのダッシュボードは、現在の「スピード」「燃料の残量」「冷却水の温度」「燃費」など、そのクルマの状態をひと目で把握できるようになっています。これはなかなかのすぐれものです。あれこれ探したり見にいったりしなくても、必要な情報がそこに集約されていて、とても効率的です。そこからヒントを得てビジネスで必要な指標や結果を表やグラフなど、一覧で確認できるようにまとめたものが「ビジネスダッシュボード」と呼ばれています。

経営層や外に出ることが多い管理者は、現在の状況について細かく報告を受けたり、確認したりすることは難しいため、サッと現在の状況を確認できるダッシュボードはとても重宝されているようです。PCはもちろんのこと、スマホで確認できるようになっているダッシュボードシステムもあり、とても活用しがいがありますね。
既にいろいろなものがデータ化されている企業であれば、一つの場所にまとめるだけでも有効です。その場合は、「Googleデータポータル」などの既存システムを活用してもよいですね。

Googleデータポータル

意外と簡単に作ることができます。お手すきの際にお試しください。

何をダッシュボード化するかが重要

クルマのダッシュボードのように、そこを見ればクルマの状態が理解できる、というようにビジネスにも置き換えてみましょう。何が最重要かは企業によって違いがありますが、「収支に関すること」「時間に関すること」「目標(KPIなど)に関すること」は共通の必要なことだと思います。これをベースに考えてみるとよいですね。ちなみに当社のリリースしているアプリケーションでは、運送業のドライバーの労務状態をダッシュボード化して、ひと目で確認できるようにしています。これは「時間に関すること」にあたりますね。

他にも運送業に重要な「改善基準告示」に関するものもダッシュボード化しています。これは「目標に関すること」にあたります。このように毎日、確認する必要があるものをダッシュボード化すると効果的になります。

ダッシュボードがよくできているシステムを選ぶ

今、DX化を検討しているのであれば、ダッシュボードの良し悪しは大きなポイントです。全てのデータは結果の確認のために作られるため、それが確認しやすいかどうかは必然的に重要になるからです。よって、ダッシュボードに何を掲示するのかを決めて、それが実現できるシステムを選ぶ。これも一つのシステムの選び方になるかもしれません。

次回は10月28日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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