第30回 運送業のデジタル化策について~(15)デジタル人材の活用

前回のコラムでは、運行の効率化を考える際に重要な「運行履歴の確認ツール」について紹介しました。事務所が実運行ルートを確認しておくことは、他のドライバーに引き継げるようにするためにとても重要です。今回は、デジタル人材の活用について考察してみます。

運送業のデジタル化策について~(15)デジタル人材の活用

前回のコラムでは、「運行履歴データの確認」についてのお話をしました。
事務所が実運行ルートをしっかり確認しておくことは、他のドライバーに引き継げるようにするためにとても重要です。それを確認するためのツールもデジタルタコグラフ(デジタコ)、ドライブレコーダー(ドラレコ)などの車載装置にも実装されていますし、スマホアプリでも同様のものが多くあります。これを活用しない手はありませんね。

さて今回は、デジタル人材の活用について一緒に考えてみたいと思います。

デジタル人材とはどのような人材か?

「デジタル人材」
昨今、よく聞く名詞です。もちろん人間であることは間違いないのですが、あまりにも定義が広そうな言葉ですので、少し検索して調べてみました。

  1. 最先端のデジタル技術を活用して、企業に対して新たな価値提案ができる人材のこと(戦略型)
  2. DXの推進を担う多様な人材の総称(戦術型)
  3. ITに関する知識やスキルを有し、デジタル技術やデータ活用などを強みとしている人材のこと(戦闘型)

大きく括ると、この三つにまとめられそうです。いろいろな角度の定義がありますね。
企業によって考え方も違いますので、どれが正しいという答えはないのですが、企業内のデジタル化度合いによって定義が変わるのではないでしょうか。

1番目の「最先端のデジタル技術を活用して、企業に対して新たな価値提案ができる人材のこと」は、企業に対して「提案」をしてくれる人のことをデジタル人材と呼んでいます。これはいわゆる企業の戦略レベルでものごとを考えられる人ですから、かなりの要求レベルと年収が想像できますね。

次の「DXの推進を担う多様な人材の総称」ですが、これはデジタル化について多くの手法や技術を知っている人のことをいっています。つまり、どの技術でできる・できないを知っていて、どうやったら、自社に落とし込めるかという実行レベルのことを考えられる人です。すなわち戦術レベルの人ですね。私の感想としては、こういった人材が今、最も必要とされるのではないかと思っています。

最後に「ITに関する知識やスキルを有し、デジタル技術やデータ活用などを強みとしている人材のこと」という人材ですが、これは実際に手を動かしてくれる人のことを指しています。小規模企業には最も重宝されそうな人です。つまり戦闘レベルの人材ですね。

次世代のビジネスモデルを考える! という場合には戦略レベルのデジタル人材が必要になるでしょうし、もっと社内をより効率化したい! ということであれば戦術レベルのデジタル人材、アナログ業務しかないから何からはじめてもOK! というのであれば戦闘レベルのデジタル人材に入ってもらうのが一番よいと思います。

デジタル人材の意見を受け入れられるかどうかがポイント

どのレベルのデジタル人材を採用し、社内の業務を変えていこうと考えても、その意見を受け入れられるかどうかでその後の変化内容が決まります。「この業務だったら、このアプリに置き換えると業務量は三分の一になりますよ」と意見をもらっても、「~~の都合があって難しい」「今までずっとこれでやっているから急には無理」や、「今やっているやり方でなるべくやりたい」という意見を優先してしまうと意味がありません。なぜなら、デジタル人材の仕事は今のアナログ業務をデジタル業務に置き換えることがミッションだからです。これは戦略・戦術・戦闘レベル、どの人材でも同じです。

逆に受け入れることができると際限なく提案してくれるはずですね。

次回は9月30日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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