第53回 業務のDX化にローコードツールはハマるか?

前回のコラムは、7月21日に創設されたトラックGメンの概要についてお話ししました。今回は一風変わったお話で、ITシステムの種類で、最近注目されているローコードツール、ノーコードツールについて解説します。

業務のDX化にローコードツールはハマるか?

前回のコラムは、7月21日に創設されたトラックGメンの概要についてお話をさせていただきました。目的は明確で、(1)標準的な運賃が適用されているかどうかを確認するということと、(2)トラック事業者が法を遵守しているかどうかを確認するということとの2点が重点項目になるようです。安い運賃で業務を行っているから法を遵守できないという話の流れを断ち切るかのような対策で、非常に現実的な対応ではないかと感じています。なにはともあれ、良い方向に進んでいくと日本の大動脈は安定しそうです。

今回は一風変わったお話で、ITシステムの種類で、最近注目されているローコードツール、ノーコードツールについてお話しさせていただこうと思います。

ローコードツール、ノーコードツールとは?

要は自社(自分)でシステムやアプリケーションを作ることができるツールの一種です。

本来、システムを構築するためには、コンピューターで処理する内容をプログラミング言語で記述した文字列を記述しなければいけません。それをするには、当然ながらプログラミング言語を理解しておかなければいけないのですが、なんと、このプログラミング言語を理解していなくても、いい感じにシステムを構築することができるのが、ローコードツールやノーコードツールと呼ばれているツールです。

社内のデジタル化を進めていきたいと考えているけど、社内にプログラムを書ける人がいない、外注するにも何を作ったらよいのか、よく分からないという企業にはピッタリかもしれません。

はじめにローコードとノーコードとの違いについて説明しておきましょう。

 ノーコードローコード
プログラムの記述全くなしほとんどなし
専門知識専門知識不要ほとんど不要
開発スピードとても早い早い
制作自由度かなり低い低い

要はプログラムを少しでも書くか、全く書かないかが大きな違いです。

ノーコードツールは、画面上でドラッグ&ドロップによってパーツやテンプレートを組み合わせることで、プログラミング言語を記述せずに開発できます。ルールどおりに制作するため、エラーやバグが発生しにくく、安定性が高いものが作れるのが特長です。

デメリットとしては、テンプレートの範囲から逸脱したような内容のシステムは作れません。Excelに入力していた内容を簡単な入力フォームで利用して入力するなどのシステムは作るのはとても簡単ですが、複雑な仕組みを構築するのにはハードルが高くなります。

ローコードツールは、ノーコードツールに少しプログラミングを記述することができ、プログラミング言語を理解している人が活用すると、より幅広い対応ができるシステムを構築することができます。

イメージはMicrosoft Accessなどを活用してつくったシステムに近いでしょうか。可能であれば、社内の業務をDX化していくために、少しプログラミング言語を学習し、このローコードツールを活用していくことはとても効果的です。

社内システムがブツギリにならないように気をつける

システム構築のハードルが下がるということは、社内にいろいろな仕組みが乱立する可能性があります。

もとよりシステムが社内になかった企業であれば、システム導入がされることでとても便利になっていくことが実感できますが、大手企業などでは各部署、個人が独自でシステムをつくって運用し始めることによって混乱を招く事例は多くあります。ローコード・ノーコード開発で素早くプレシステムを開発し、「より多くの部署・人に意見を聞いてみる」→「より広範囲の人たちが使えるように改良していく」という、基本的な流れが必要であると感じます。

次回は9月8日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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