第3回 「プッシュ通知」が業務の流れを変える

適切なタイミングで必要な内容を、PCやスマートフォンなどのデバイスを通して個人に通知する「プッシュ通知」。今回は、この機能について考えてみます。

「プッシュ通知」が業務の流れを変える

前回のコラムでは業務効率化の着眼点についてお伝えしました。
ECRS(排除・結合・代替・簡素化)の考え方は、事務所の効率化、物流現場の効率化など全ての業務に当てはまりますので、ぜひ意識的に日常業務に当てはめていただければと思います。

さて今回は、「プッシュ通知」機能について、考えてみましょう。
プッシュ通知とは、適切なタイミングで必要な内容を、PCやスマートフォンなどのデバイスを通して個人に通知することです。
私はこの機能をフル活用することこそが生産性の向上につながると考えています。

「デジタル化」と「DX化」との違い

その前に昨今の時流キーワードである「デジタル化」「DX化」の言葉の意味を考えてみましょう。

この二つの言葉は同じ意味合いとして捉えられてしまうことが多いようですね。しかしこの二つの言葉の意味合いは全く違います。
デジタル化はアナログデータ、つまり紙媒体を使用した業務を、デジタル媒体に置き換えることを指し、具体的には手書きで台帳等に数値を記入し管理していたような業務を、スプレッドシートなどのデジタルアプリケーションに代替していくことです。似た言葉にペーパーレス化があります。
また対面による会議をオンライン上のWeb会議に変える、対話の仕方をメール、チャットに変えるというコミュニケーションの方法をデジタル化するといったものもあります。

これを行うことのメリットは、デジタル技術の恩恵を受けることができるようになることです。

情報を「仕分けする」「並べ替える」「集計する」が効率化されることはもちろん、データ同士を「つなげる」「加工する」ことも容易になります。
デジタル化が進んでいる職場であれば、とあるデータをポンっと業務アプリケーションにアップすると、その仕事が終了する「業務の自動化」もできるわけです。そのようにするために、プログラミング言語が判断できるように、デジタル化、つまり紙のデータではなくデジタルデータとしておく必要があるのですね。
デジタル化は自動化の準備だと捉えていただければよいでしょう。

何を通知してもらうのかを考えるのがDX化の本質

デジタル化が進み、データ集計などが自動化されてくると、流行りの「AI」や「機械学習」を動かすことができるようになります。自動的にいろいろな答えを出してくれるすごい機能です。
しかし今回は、話がよく分からない領域に入ってしまうのでしばらくおいておきましょう。現実的に今やれることを考えると、自動的に集計されたデータが、設定した値になったら色が変わる、メールがくる、ダッシュボードに通知される、などの仕組みを作ることです。
このお知らせ、いわゆる「プッシュ通知」をシステムからもらうことによって、覚えておかなければいけないことや、何月何日になったらやらないといけないことなどを忘れることもありません。脳が他のことに力を割けるようになります。

私は何に対して「プッシュ通知」をもらうべきかを考えることが「DX化」を行ううえでもっとも重要なことではないかと考えています。

運送業の「デジタル化」、「DX化」

運送業において何をプッシュ通知化すべきかを考えてみたいと思います。

運送業の最も大きな経営リスクは、事故、労務についてです。事故リスクについてはさまざまな機器が進化しており、スピード超過、蛇行運転、急発進、急ブレーキなどをトラックが通知してくれる仕組みが出来上がっています。これはトラックという機械がデジタルデータを装備しているからできたことで、素晴らしいDX化がなされた乗り物だと思います。

労務リスクについてはどうでしょうか。運送業には労務上管理しなければいけない労働時間と別に、改善基準告示といわれる運送業特有の管理ポイントがあります。
4時間連続運転、2日間平均運転時間、拘束13時間、拘束16時間などです。これは健康面からも大変重要な観点なのですが、ドライバーさんは業務に没頭するあまり、忘れてしまうことが多く、4時間連続運転を3分オーバーしてしまい改善基準告示違反となってしまうケースが発生しています。これは当社もサービスとしてリリースしていますが、ドライバーさんのスマートフォンに「4時間連続運転まであと○分です」とか、「休憩時間が○分足りません」などのプッシュ通知をしてあげることにより、違反を回避できるケースが増えてきました。

スマートフォンが普及し、デジタル化が進むことによって、このようなサービスが出てきたわけですが、スマートフォン登場以前であれば考えられないようなこともできるようになっています。

何をプッシュ通知すべきか、がしっかり考えられていればその仕組みは現実につくることができる環境は整備されています。それがDX(デジタルトランスフォーメーション)時代であると思います。

次回は8月27日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
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